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リクオside ページ15

圧倒的だった。

そう言わざる得なかった。妖怪を相手にたった一人の人間、しかも中学生の女の子が、一本の刀を手に圧倒しているではないか。




「す、凄い…!」




あっという間にAちゃんは全ての妖怪を倒したようでこちらを振り返った。




『ほらね、言ったでしょ。妖怪が出て来たらぶった切ってあげるって』




彼女の口から吐かれる言葉はアレだか、正直綺麗だと思ってしまった。

先程、放り投げた鞘を拾い上げ自然な動作で日本刀を納める彼女に思わず詰め寄った。




「な、何今の!?どういうこと!?」

『何って言われても』




変わらず冷静な彼女。訳が分からない。混乱する頭をどうにか整理しようにも糸が何重にも絡み合ったようにほどける事はなく理解する事が出来なかった。




『探検も終わったことだし、カナちゃん連れて帰るね』




Aはこちらの苦労を知ってか知らずか、へたり込むリクオの前を通り過ぎ、食堂を出て行った。

Aちゃんって何者なんだ!?

小学生からの付き合いで、周囲から近寄り難い存在だった彼女が気になって話し掛けたのは自分だった。噂とは違い、彼女はただ他の人より思考が大人っぽくて楽しむ時は楽しんで、笑う時には笑って。
どこか抜けているが、至って普通の女の子のはずが。妖怪を日本刀で一刀両断する!?何ソレ!?




「リクオ様、お怪我はありませんか?」




思考に浸っていたリクオはハッと我に返ると目の前にはいるはずのない雪女と青田坊の姿。




「え…?何でだって今君ら学生で…うえ!?」




さらに情報収集が追いつかないリクオに雪女は「護衛」だと言った。




「四年前のあの日…これからはお供をつけるって!」

「知らなかったんですか!?ずぅ〜〜っと一緒にいたんですよ!」




二人の下僕の衝撃の告白に頭を混乱させる。




「ずぅ〜〜っと!?聞いてない…聞いてないぞぉ〜〜〜!?」

「いいえ確かに言いました。この烏天狗が」




突如現れた烏天狗にリクオは思わず、いっと苦虫を潰したような声がでた。




「まったく…心配になって来てみれば。あんな現代妖怪。妖怪の主となるべきお方が情けのうごさいますぞ」

「だからボクは人間なの!!」

「まだおしゃるのですか!!あなた様は総大将の血を四分の一…」

「ボクは平和に暮らしたいんだ〜〜〜!!」




リクオの悲痛な叫びを烏天狗は聞かなかったことにして、




「それにしてもあの小娘は何者で?」

「ボクもわかんないよ!!」

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船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
- とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時

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