第十話 ページ13
まず、初めは美術室。長い間放置されていたせいか、中は荒れ、歩くたびにバキッ、バキッと窓の硝子が割れて床に散らばった硝子の破片が音をたててさらに細かく割れた。
『特にこれといった物はないね』
Aは棚に飾ってある物を色々と物色していく内に棚の隅へ目を向ける。
『幽霊って切れるのかな?』
突如、Aは物騒な言葉を吐いた。
そのAが自分に向けられたものだと気付いたオカッパの幽霊はその一言に、小さく悲鳴を上げ、白い顔をさらに青白くさせた。
日本刀を鞘から抜き取り、オカッパの幽霊に向ってそれを振り上げる。
「ちょっ!?何してんの!?」
『何って…この通り、幽霊を切ろうと』
Aが一旦言葉を切り、オカッパの幽霊に視線を送ると、リクオもその視線を辿り、オカッパの幽霊の存在をハッキリ認識した。
『お、わっ…?』
その途端、リクオがAの手を物凄い力で引き、廊下へと出る。
『どうしたのリクオ君?顔真っ青だけど』
「まさか、あんなに普通にいるとは……」
独り言の様に呟くリクオ。
Aは辺りを見回すと他の人達はもう既に廊下に出ていたらしく、Aとリクオが最後だった。ということはあの幽霊を見たのはこの二人だけだった。
(良くわかんないけど、リクオ君ってかなりの苦労人だ)
始まってまだ十分と経っていないのだが、リクオ君の何とも言えない表情が苦労さを物語っていた。
そんなこんなで清継達は次々と旧校舎の中を進んでいく。
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時