第八話 ページ11
最近、気になる話を聞いた。
それはAの数少ない友達から旧校舎の噂を偶然耳にしたことがキッカケだった。それが本当なのか、嘘なのか判断は出来ない。
ーー確かめに行ってみない限り。
もう学校に慣れた頃。クラスには若干浮いているが中学生活も満喫している。
授業は相変わらず退屈でつまらないがお昼は割と楽しい。Aは持参したお弁当を手に気持ちいい風が吹く屋上で済ませ、教室へと戻ると何やら騒がしい。
(何事?)
「Aちゃん!」
名前を呼ばれた方に顔を向ければ、昔とかなり印象の変わったリクオとカナの姿が目に映った。
リクオは眼鏡をかけ、昔とは性格も打って変わり、何より「妖怪はいない」と彼は否定するようになった。
『何の騒ぎ?これ?』
「清継君が妖怪の話をしてるらしいんだけど…」
『……人は変わるわね』
(この騒ぎの原因の彼も、リクオ君も)
Aの小さな呟きは騒ぎに掻き消され、聞いた者はいたなかった。
「奴良君…昔はバカにして悪かったね」
騒ぎの中心にいた清継はいつの間にかはスタスタとリクオの元へと近付いてきていた。
「ボクは…目覚めたんだよ…。ある“お方”によってね」
『あるお方?誰それ?』
Aが興味本位で尋ねると彼は自慢気に語った。
闇の世界の住人にして若き支配者。だとか。Aは対して興味ないのか、へぇーと素っ気なく返す。
「ほれたんだよ!!彼の悪の魅力にとりつかれたのさ!!もう一度会いたい…。だから彼につながりそうな場所を探しているのさ!!」
熱く熱く語る清継。
「もしかして……清継君!?」
「うわさの…………旧校舎も!?」
旧校舎の噂について話が進むと早速辞退する者が二名。
Aはというと、
『前々から気になってたし。私参加しようかな』
「えぇっ!?」
「おおっ!流石一之瀬君だ!!期待してるよ!」
Aの一言に驚愕するリクオに対し清継は何を期待しているのかさっぱり検討も付かない。しかし、Aにとってそんな事は気に留めることに至らなかった。
「リクオ君は参加しないの?」
Aはその一言でリクオの心が揺らいだことを知らない。
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船長 - 更新楽しみにしてますね頑張ってください (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
船長 - 物凄い面白いです!牛鬼さんさすがです (2017年8月26日 8時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
AndyJyuri(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます。一つだけ、18話で「か、神々しい」とありますが、読み方は、こうごうしいです。w (2017年6月17日 23時) (レス) id: d783bc4e9d (このIDを非表示/違反報告)
彗星(プロフ) - ありがとうございます。これからも更新できるだけ頑張っていくので、応援よろしくお願いします。 (2017年4月4日 20時) (レス) id: a61fc50fe1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - とても良かったです。更新頑張ってください! (2017年4月4日 19時) (レス) id: 68c28fd3de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彗星 | 作成日時:2016年12月25日 14時