Fake_26 ページ29
・
『昨夜は色々とお世話になりました!!』
玄関越しに目の前で見送りをしてくれる彼らに精一杯の笑顔を向けた
「本当に一人で大丈夫?僕が送っていこうか?」
『平気だよ!来る時も一人で来られたから』
昨夜はコナン君とシャーロック・ホームズを読み明かしてオールしたから本当はまだ寝惚け血眼で道順あやふやだけど
それでもスマホのナビがあるしどうにかなるだろうと楽観的に考え直した
靴に履き替えてトントンと慣らす
「忘れ物とか無い?」
『多分無かったと思うけど...もう一回鞄の中確認してみるね』
「じゃあ僕部屋に忘れ物無いか見てくるよ」
ありがとうを伝えると同時に扉の向こう側へ姿を消したコナン君
実質、沖矢昴さんと二人
兎に角無心で無いであろう忘れ物とやらを探す
「__よく眠れましたか?」
鞄の中身だけに意識を集中させていたものの、話かけられては答える意外の術が無い
『実はちょっとだけ寝不足で...でも楽しかったです』
嘘はついてない。嘘はついてないよ、うん。
取り止めも無く、当たり障りも無い無難な返事でその場をやり過ごす
__が、その型を破ったのはやはり彼だ
「__坊やの申し出を承諾されてはどうですか?」
『...心配かける程ですか?』
「ええ。__何かしらと『その片方の目』だけでは不安でしょうし」
はっきり、しっかり、言い切った、彼
...片方の、目
『やだなぁ、ちゃんと両目ついてますよ?』
無邪気に笑ってお茶を濁す
本当、何が言いたいんだか
すると彼は執拗に弧を描いた口を開いた
「__人生という無色のかせ糸のなかに、殺人という緋色の糸が一本混じっている。我々の仕事は、その糸をときほぐし、緋色の糸を引き抜いて、糸の端から端まですっかり白日のもとに晒す事なんだ」
『...シャーロック・ホームズによる、緋色の研究ですか』
「よくご存知で」
これでもシャーロキアンなので、の言葉に無機質な笑みを取ってつけた
「Aさーん、特にそれらしき物は無かったよ」
ベストなタイミングで戻って来たコナン君
『わざわざありがとう!!お邪魔しました』
最後に深く頭を下げてから外へ繋がる玄関扉を押し開けた
__彼の言ったシャーロック・ホームズの言葉が本当になった時には。
彼諸とも殺してしまおう
487人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未羽(プロフ) - ジンが律儀……ギャップ……=うちの好み……!!ありがとうございます(∩ω∩*`) (2020年5月8日 18時) (レス) id: c79f5e12a9 (このIDを非表示/違反報告)
I like choco - 更新再開してくれませんか? (2020年5月2日 11時) (レス) id: 1b7c1dd1e9 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - 桜猫さん» お優しくて泣きそうです!!ありがとうございます、頑張ります!! (2019年8月26日 6時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - リンドウさん» いえいえ、これからも頑張って下さい!^^ (2019年8月25日 11時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - 桜猫さん» コメントありがとうございます!!えっそうなんですね!!?!?知識不足でコナン君もレーズン駄目なんだと自己解釈してました、大変申し訳ございません!! (2019年8月25日 2時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魅連×リンドウ x他2人 | 作成日時:2019年6月10日 1時