片目が義眼の転校生は...【名探偵コナン】

Eat＿25 ページ28

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でも！と話を続けようとするコナン君にストップをかけたのは意外にも沖矢昴さんだった



「互いに探り合いをするよりも今は食事を楽しみながら明るい話をしませんか」


まさかの助け舟にコナン君も渋々頷き話が逸れる



だが私としては一難去ってはまた一難


別問題に直面していた




「おや、もしかして苦手だったりします？“それ”」


沖矢さんの言う、それ、とは。


私が現在進行形でこれでもかと切り刻んだキノコ類


他の具材と程よく混ぜ込み呑み込んでいたのだが...


「無理して食べなくてもいいんですよ？」

『い、いえ。...人様が、作ったものなので...』


そう言って忌々しいキノコが喉元を通る



「へぇ、Aさんってキノコ駄目なんだ」

『小さい頃からキノコだけはどうしても受け付けなくて』

「ふーん...でもキノコはビタミン豊富だしβグルカンで抗腫瘍効果にも期待されてるし」

『あ"あーーやだやだ、そういうのはいいの。そもそもキノコなんて細菌に近い菌類だし、形も味も食感も突然変異過ぎて奇異形...キノコは奇異形』

「奇異形じゃないよ」


それでも元を辿れば人様が汗水垂らして育てたものだと言い聞かせて呑み込む


人様は何故菌を食そうと思ったのか。文明が有無を言わせない



「ホォー...ですが坊やも人を棚に上げていられないのでは？」

「げっ」

『？』


なんだなんだと二人の会話の意図が読めず視線を行き来する



「どうやらパンには一切れも手をつけていないように見えますが」

「沖矢さん僕がレーズン食べれない事知ってて出したでしょ」


じと目で沖矢さんを咎めるコナン君は確かにバゲットの中のレーズンが練り込まれたフランスパンに手をつけていない


夕食にパンなんて初めてだと好奇心と贅沢な気持ちで私は食べていたが...



「黒澤Aさんを見習ってはどうですか？」

『レーズンはポリフェノールもアントシアニンも沢山だし、アメリカではクイックエネルギーって言ってスポーツにかかせない栄養補給だよ』

「乾燥物なのにネチャッってしてるのがどうにも...それこそ奇異形」

『レーズンだよ』

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