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Family32 ページ32

「大丈夫だって!あ、この先急カーブだわ。お前ら、いつものやつ頼むー」


「僕らはいいけど、Aはどうするの?」


「そうだよ、いくらなんでも女の子は耐えられないって!」



「ごちゃごちゃうるさいなー、守ればいいんでしょー守れば!A、シートベルト外して」


「えっ、は、はい……?」



何が起こるのかも分からず、とりあえず言われるがままにシートベルトを外した。


「ほいっ、じゃあこっち来て」

「へ……?」


右手でハンドルを操作し、パッと左腕を広げたおそ松くん。

……どうしろと?




「もうカーブ来るから早く掴まって、俺の左膝に体重かけて」

「は、はいっ」



おそ松くんに促されるまま、彼の左膝に軽く跨る。

前方が見えるように左寄りで。



「んで、そのまま両腕を俺の首元に回してー」

「はいっ……」




ギュッと彼に抱きつく形になる。



「ちょっ、何してんのおそ松兄さん!!」

「絶対これ狙ってたでしょー!」

「えっ、なになに?おそ松兄さんここでするの?!!」

「そんなわけないでしょ、てか……Aも素直すぎるし」


「外野うるせーぞ、曲がるぞ!」




ギュアッと擦れる音を放ち、車が右に傾いた。


私とおそ松くんが右側に凭れ、他の四人がいつの間にか窓を開けて左側に寄っていた。


な、なるほど……急カーブを勢いよく曲がるためにってことか。


それにしても……近い。



「A、緊張してんの?別にとって食ったりしないって!」




ドンッと一気に元に戻る。


その衝撃にびっくりして、さらに抱きついてしまった。


「きゃっ……!あっ、ご、ごめんなさい……」


「いやいや、平気ー。むしろラッキースケベをありがとう」


「は?」



気が付けば、彼の顔左半分くらいに自分の胸を押し当てていた。


「ひっ……!!そんなつもりじゃない!!」

バッと勢いよく離れる。


「あー残念、言わなきゃ良かったかなーなんつって」
運転しつつケラケラと笑っている。


「Aちゃんからかうのも大概にしなよ」


「そうそう、Aに嫌われるよおそ松兄さん!」


「ちょっ、縁起悪いこと言わないで十四松!!」


自分の責任もあるけど、みんなのやり取りを聞いてると何でも良くなった。


「ふふっ、いいよ、もう……。それくらいで嫌いになったりしないわ」

「サンキューA!愛してる!!」



「……サラッとそういうこと言うのは、やめてもらってもいい?」



心臓がもたない……。

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年中寄りの箱推し - 題名を見て、某パズルゲームの変態魔導士を思い出した俺氏www (2016年2月22日 0時) (レス) id: 13665f03bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sui12141/  
作成日時:2016年1月3日 23時

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