@10/4 あらきに恋する彼女 ページ38
「まふくんの誕生日？」
「いつも貰ってばかりだから」
「それで、買い出しだったのかー！」
「うん。ごめんね、せっかくの休日なのに」
「いいよいいよ！来月はそらるんの誕生日だから、その時は一緒に選んでね！」
すれ違う女性二人。
ひとりはオレンジ色のクルクルと巻いた派手な女性、もう一人は肩より下まで真っ直ぐ落ちた茶髪の清楚な女性。
アンバランスな二人だが美人という分類には間違いない二人にチラチラと視線が向けられる。
………、誕生日か。
…………。……、不安になって日付を確認する。
『2018年10月13日』
記憶が正しければあらきの誕生日は一週間以上前だった気がする…。と、いうことはだ。
彼女であるはずの私はなんのお祝いもしていないことになる。途端に青ざめていく顔を隠しもせずに来た道を後戻りした。
「っ！あらき！！！」
「っ！？え、あ、え？……なに」
急に出て行っては帰ってきた彼女に驚きながら、ソファーで寝転がっていた体を起こす。血相を変えた彼女をみて、財布でも取られたのかと心配するあらきはゆっくりと彼女に近づく。
「ど、どした？」
「…なんで、誕生日だって言わなかったんだよ」
「え」
かと思えば、半分泣きだしそうになりながら胸元を掴みキレてくる。
あらきからしたら、もう意味が分からない。
「普通、自分で言うだろ！祝えって」
「え、言わなく無い？……そんな自己主張しなくない？」
雰囲気で誕生日を覚えていた彼女は、今日ネットで『歌い手 あらき 誕生日』と検索してから過ぎたことに気がついた。
……彼女として、もう終わってない？大丈夫か。
そもそも付き合い出してから誕生日という概念を忘れてしまっていた。
「……祝いたかったんだよ、あほ」
「別に誕生日じゃなくても、特別な時間過ごせてるから俺はいいんだけどね」
一つ歳を重ねたあらきの大人な発言に、不覚にも彼女が照れてしまう。来年こそは、絶対に。
そう決意した土曜の午後。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
誕生日とか、記念日とかあんまり気にしないカップル。だけど、好きな人の生まれた日くらいは知っておきたいじゃん。
みたいなツンデレ具合が欲しい。
※遅れてすみません。
【短編】ボクの一日 と キミの一生 ��[完] / nqrse→←《140字》なるせちゃん詰め
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 172人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こんぺいとう。(プロフ) - お鈴さん» はい！是非！何時でも大歓迎なのでお申し付けください。 (2018年10月3日 17時) (
レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
お鈴(プロフ) - あんくさんのリクエストの更新ありがとうございました！これからも何かしらリクエストすると思うので....よろしくお願いします！ (2018年10月2日 21時) (レス) id: 97cb04aaf6 (このIDを非表示/違反報告)
お鈴(プロフ) - こんぺいとう。さん» いえいえ！全然大丈夫です！！！こんぺいとう。さんの都合の良いときに！！これからも応援してます！ (2018年10月1日 21時) (レス) id: 97cb04aaf6 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう。(プロフ) - お鈴さん» かしこまりました。誠に勝手ながら、明日更新させていただきます。申し訳ございません。 (2018年10月1日 20時) (レス) id: 5845111e18 (このIDを非表示/違反報告)
お鈴(プロフ) - またまたリクエスト失礼します！あんくさんでメンヘラ彼女をデロデロに甘やかすおはなしください（土下座） (2018年10月1日 19時) (レス) id: 97cb04aaf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
