【歌い手】恋する彼女 vol.3【完】

@LIVE後 志麻くんに恋する彼女 ページ45

「おつかれー」





ライブ終わりの楽屋で皆が口々に言葉を開く。
まだ熱を帯びる体。
疲れているはずなのに、そんなことよりも達成感の方が強い。





「取り敢えず、終わりましたねー」





まだ後2公演を残し、折り返し地点も過ぎた今、
終わってしまうのかと妙に悲しくなるが、何もライブは今年だけではない。





「今回も盛り上がったよね！」

「特別に…」





浦島坂田船の中で年下の二人が話している中、汗で濡れたTシャツを脱ぎ、新しいものへと着替える。





「そう言えば、さかたんの彼女おりましたね」

「ウソ、マジか！！気づかなかったーーっ！」





何千人と入るライブ会場にライトがあるとはいえ、薄暗い中で見つけ出すのはすごいと思う。

どうやらセンラか見つけたのは坂田の彼女だけではなく、自分とうらたぬきの彼女も見つけたらしい。





「志麻くんの彼女さん来てました？」

「あー…、どうだったかな」





来るとは言っていたけど、残念ながらステージ上では見つけられなかった。





「俺まだまーしぃの彼女見てないんだけど」

「嘘？うらたさんのライブは毎回行ってるらしいよ」

「は」





彼女と付き合う前からこたぬきだった彼女は、おそらく今日も緑色のペンライトを持っていたのだろう。

推しと彼氏は別だと以前言っていたから、間違いない。



ガチャ

◯→←◯

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す