〈曲パロ〉Peacock Epoch〈となりの坂田。〉 ページ35
「お相手。お願いしてもいいかしら?」
完璧な笑顔を貼りつけた女性は
オープン当時からよく来てくれる常連さんで、
坂田とも何回か接点があった。
しかし今日の指名はうらたにしていたはず。
そんな思考が顔に出ていることに
気がつかない坂田は彼女に クスクスと笑われる。
「うらた君、大切な女の子の方に行っちゃったの」
フラれた私を慰めて頂戴?
と色気のあるおねだりに今度は、
焦りが止まらない。
「え、え!?僕でいいの!?」
「あら?私じゃ物足りない?」
ブンブンと首と頭が離れそうな程左右に振る。
「全然!というか、すごい嬉しい!!」
今まで彼女はうらたか志麻ばかりを指名しており、
二人の手が空いていない時くらいしか
指名を受けることのない坂田。
以前より彼女に向ける視線は
どの女性よりも心がこもっており、
優しく見つめている。
そんな彼の想いには応えられないAは
知っていながら、知らないフリをする。
……ズルい女ね。
「そう、良かった。なら、楽しい話が聞きたいわ」
「え、唐突すぎるんですけど!?」
そんな自分勝手な彼女のワガママなお願いでも
嬉しく感じてしまうのは、
Aに特別な感情を抱いているからだろう。
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