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「え、ちょっ!待って!抱っこってこうであってるんですか!?」
ぎこちない手つきで抱える。
パシャリと何となく写真を撮った天月は、「こんな感じー」とスマホ画面を見せる。
「いや、なんで口で言ってくれないの!?」
「まふくん、ぎゅー」
「え、こ、こう?」
「上手ー」
何故か5歳児に抱っこをレクチャーされているが、先程よりも格好は良くなった。
単純思考のまふまふは褒められると伸びるタイプで「可愛いー」と言いながらぐりぐりとおでこをくっつけて動かす。
「ただいまー……って、二人とも来てたんですね」
ようやく全員が揃ったところで、お姫様は耳元で「おろして」と可愛いお願いをする。
ほいっと降ろされたお姫様は歌詞太郎の足元に巻きついてわかりやすい上目遣いでおねだりする。
「おかしー」
「はいはい。ちゃんと買ってきたよー。それよりも抱っこは?」
「や」
歌詞太郎に対して効果抜群の否定。
そんな光景をみてまたやってるとしか思わなくなってしまった。
「はずかしいから、や」
理由がもう恋する乙女。
例え小さくても恋する女の子は、好きな人の前ではきっとこんな感じなのだろう。
照れ隠しする少女に本気でデレデレする歌詞太郎を横目にそらるとまふまふが口を開く。
「うわ。歌詞太郎さん将来変な女の人につかまらないといいけど」
「それよりおれは、お姫様が女王様にならないか心配」
「ハイハイ。早くゲームしましょー」
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可愛いままのお姫様でもいいけど、少し性格の悪い女王様も好き←
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