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一郎side
【俺達には姉貴がいる。正確に言えば、姉貴がいた。
姉貴は3年前に家を出ていった。
理由は、俺も、二郎も三郎も知らない。
知ってるのは姉貴だけ…
俺達は捨てられたと思ってた。
あの時は俺も、二郎と三郎と一緒に泣いていた。
……今、俺の目の前にいる人がもし、俺達の姉貴だとしたら、俺が最後に見た姉貴とは別人だ。】
「もしかして、A姉…?」
俺は聞いてみた。間違っていれば謝ればいい。
そんな風に考えていたが、目の前にいる女性は下に向けていた顔をこちらに向け、大きく頷いた。
と、いうことは、本当だったらしい。
でも、俺達を捨てたA姉が何故ここに?
俺は、困惑してしまった。
するとA姉は、“俺達の姉だ、嘘じゃない”と言う。
何故帰って来たらかという理由は二郎と三郎が帰って来てからと言っていたので、とりあえず家の中に招き入れた。
さっき会ったばかりだが、俺はこの人が嘘をついているようには見えないし、何よりこの人といると…
すごく、落ち着く。
………俺は、昔A姉が好きだったココアを作って持っていった。
渡すと目を輝かせて飲みはじめた。
A『…一郎のココアやっぱり美味しいね。』
小さい声だったが、俺には届いていた。
−俺はこの時点で、この人がA姉だと確信してしまった。−
俺はA姉がいなかった3年間でA姉に関わることを一通り話した。基本、部屋の掃除だけどな。
それと…
「……あと、おかえり。」
A姉も“ただいま”と言ってくれた。
それも、笑顔で。
俺はA姉の笑顔を見た時、少し前の記憶が脳裏に浮かぶ。
そして、昔のA姉の笑顔と重なる。
俺は、無意識にA姉を抱きしめていた。
目の辺りが熱くなるのを感じる。
涙が頰を濡らす。
………俺は泣いていた。
久しぶりに泣いたなぁと思いながら、必死に言葉を紡ぐ。
“会いたかった。もう会えないと思った。”
泣きながらA姉に伝えた。
するとA姉は、優しく俺の頭を撫でてくれる。
昔、俺がケンカしてボロボロに負けてきた日によくやってくれたように。
俺が気持ちを伝えた後、A姉も気持ちを伝えてくれた。
A『ごめん…一郎。ごめん…辛い思いさせて…もうどこにも行かないから。まだ…一郎達の姉でいさせて…』
そう言ったA姉も泣いていた。
…………………………
一郎sideあともう少しですが文字数が…
ということで次のページ行きます。
すみません…
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作者名:星海&妹君ワヨ激 x他1人 | 作成日時:2018年12月21日 13時