一六五試合目 ページ26
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家族、四人の生活に戻って、早一週間。洋一は家にほとんどいないから、三人での生活だけれど、二人育児の大変さを味わっている。
「ほら、パパと幼稚園行くぞ、夏」
「イヤ−。今日はママと行くの。パパは秀くんとお留守番してて」
そう、夏は幼稚園の鞄をずるずる引きずって秀一をかかえる私の元にやって来る。そして、私の隣にちょこんと座って、「秀くん、ママとバイバイよ」と秀一に言い聞かせる。
そしてスッピンの私に、行きますよ。と、スッピン隠しようのマスクを渡す。
「そんなにママが好き？」
「好き」
「パパは？」
「ママの次」
「でもパパは、夏が大好きだから泣いちゃうよ」
ほらほら、と顎で洋一を差す。振り返った夏は、洋一を見てまた私を見た。
「パパって本当に子どもね」
夏さんもね。
はぁっと溜息を吐いて、元気のない洋一の元に行き小さな手で、洋一の手を握る。
「仕方ないから、パパも連れてってあげる」
「夏はツンデレを覚えたのか？」
「それ、なぁに？」
「何でもねぇ。ほら、秀一も連れて、みんなで夏を送りに行くぞ〜」
「秀くんはパパが抱っこして！夏はママとお手手繋ぐ」
準備して、外に出た。秀一は洋一に抱っこされ、キャッキャと笑い喜んでいる。パパと外に出るのが嬉しいのだろう。
家族四人、外に出るとご近所さんが「珍しいわね」と声をかけてくれる。
「家族みんなで夏ちゃんを幼稚園に送るの？」
「そ、パパ置いてくと拗ねちゃうし、秀くんは小さいからお留守番はまだ早いから」
と、ませたことを夏は言う。
洋一は苦笑いを浮かべ、ご近所さんはクスクスと笑った。
「じゃ、行ってくるねー」
友達のような感覚で、夏はご近所さんに手を振る。私と洋一はペコリと頭を下げ、夏の歩幅に合わせのろのろ歩き出した。
幼稚園が近づき、はしゃぐ子ども達の声で賑わう。夏は園内の方に目を向け、背伸びをしてはフェンス越しに窺おうとしている。
「なおちゃん、来てる？」
「う〜ん、どうかな？」
フェンスの向こうを見ながら、私は答える。
「夏の友達か？」
「うん！そうだよ」
「いっぱい遊んでこい」
「パパ、よーちえんは、遊ぶばっかじゃないのよ」
また、ませた事を言う夏に、私は笑う。
幼稚園の屋内の前で、夏を送る。バイバイと私達に手を振る前に、洋一の腕の中の秀一を覗き込んで「秀くん、バイバイ」と手を振る。
秀一は、「あー」と声を上げた。
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豆腐戦士(プロフ) - shinox2さん» 秀一大きくなりました(笑)ズリバイしてハイハイしてつかまり立ちして歩くようになるんですね…。そう考えると何だか寂しくなってきました。秀一の成長はゆっくり書こう(*´ω`*) (2017年4月13日 0時) (
レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - やだ〜♪秀ちゃん大きくなったのね〜って、親戚のおばちゃん気分でした。これからズリバイとか始めると可愛いですよ。うちの子はなぜか前進せず後退してました。えりさん同様懐かしいです(^-^) (2017年4月11日 17時) (レス) id: 2f52f37027 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - えりさん» えりさん、お久しぶりです( ´艸｀)寝返り打てなくて怒ってる！可愛い！ってなって書きました。親戚の子の話なんですけどね(笑)私の作品でお子さんの小さい頃を思い出して頂いて嬉しいです。常に子育ての良いとこ、悪いとこと書いていこうと思ってます！ (2017年4月11日 16時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
えり - 中2なった娘と口喧嘩する様になったりして疲れた時豆腐戦士さんの夏ちゃんや秀くんみてて小さい時思い出させてもらってますょ。ありがとうって伝えたくて…。 (2017年4月10日 21時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
えり - お久しぶりです☆* 夏ちゃんすっかりお姉ちゃんなって…（ ; ; ）←どこのオバちゃんやw 娘も寝返り壁際で動けんなってブゥブゥ怒ってました（笑）懐かしいです。 (2017年4月10日 21時) (レス) id: 4c6f302957 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐戦士
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年12月10日 14時
