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それからほどなくして、イルミネーションの飾り付けが行われた。コートを着て外を出ようとすると亮介さんに呼び止められて、首にグルグルとマフラーを巻かれ頭にはニット帽、手には手袋を嵌められ更にコートをもう一枚着せられた。
「うん、オッケー」
「葉瑠、太ったか？」
ゲラゲラと腹を抱えて笑う兄を睨みつける。
「着ぶくれだもん…」
屋根には兄が登ってくれると言った。私は家を見渡して右とか左と言って、亮介さんは兄に電飾を渡すちょっと面倒な役。
屋根の上で電飾をあれこれする兄を見ていると兄が不意に「出来たか？」と聞いて来る。
「何が？」
「赤ん坊」
あぁと呟いて私は首を左右に振った。亮介さんが着ぶくれするくらい防寒着を着せたからだろう。
「頑張ってるとこ」
そいかと兄は弱々しく呟いた。さっきまで怒っていたせいだろうか。元気がないように思えて私はフラフラ歩くふりをして兄の顔が見える位置に行く。
「亮介は良い奴だ」
「知ってるよ？」
「頭も良い」
「うん」
「性格もいい」
「うん」
「野球も上手い」
「ん、」
「何もかも俺より勝ってる」
はぁと吐いた息が上昇する。白い息が私の目の前で靄のようになって視界を遮る。
「でも親父は完璧主義者だ」
「え？」
「潔癖過ぎるくらいな。ミスはダメだと思ってるし、いつも百点満点を取らないと落ち着かない」
「何の話し？」
「親父」
「それは分かるけど。私は何が言いたいの？て聞いてるの」
「唯一の汚点は俺だよ。勉強もせず、野球ばっかの人間。馬鹿だからな。さっきの例えも上手くない」
「まぁそうね」
「だからあんな女を紹介したんだ」
ふと、玄関の磨りガラス越しに人陰を見た。亮んのものだろう。出て来るタイミングを失ってしまったのだ。
「気に入らないことがあればすぐ排除するんだ。そして無かったことにする」
「気に入らないこと？」
「法律や倫理に反することだよ」
「お兄ちゃんは？」
何かやらかしたの？の言葉は飲みこんだ。
「高校の時、同級生を妊娠させた」
私はハッと息を飲んだ。まさかそんな事があったとは全く知らなかった。
「金で問題解決。それ以来親父は俺を跡取りにする話しは一切しなくなった。複雑だよ、全く」
てっきり亮介さんが出て来ないのは兄の事を気遣ってのことだと思った。まさか亮介さんが記憶をなくした事で苦しんでいたとは夢にも思っていなかった。
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豆腐戦士(プロフ) - マヒロさん» マヒロさん、コメントありがとうございます！私の駄作品を読んで頂いたそうで、大変嬉しいです(^^)御幸くんの小説については本当にお待たせします。まだ書いている作品があるので。ご理解頂けると幸いです(^^)今後ともよろしくお願い致します！ (2017年8月1日 18時) (
レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
マヒロ - すごい嬉しかったです！お忙しいとは思いますが頑張ってください。楽しみにしています！(途中で切れてしまいすみません！) (2017年7月31日 22時) (レス) id: 97c48ff0e2 (このIDを非表示/違反報告)
マヒロ - 長文､失礼します！ダイヤの小説全部読みました。僕のお気に入りもパシリになる小説で、御幸くんつらいなぁ…と僕まで悲しい気持ちになりました。ここにあったコメ読んだときに御幸くんの高校生の話から見れると書いてあり、御幸くんに幸せになって欲しかったので (2017年7月31日 22時) (レス) id: 97c48ff0e2 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - ココアさん» 倉持くんのプロ野球の話で主人公の性格を変えたのは、おしとやかさより母親を全面に出したいと思ったので(汗)分かりました。御幸の話では性格変えずに書きますね。ご意見ありがとうございます。今後も作品共々よろしくお願いします(*´ω`*) (2017年7月23日 22時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - もし悩まれたらこの意見を思い出していただければいいなと思います！豆腐戦士さんが連載されるのを心待ちにして待ってます！他の作品も頑張ってください！いつまでも応援していますね！ (2017年7月22日 19時) (レス) id: 02b943e900 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐戦士
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月22日 15時
