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師走です。
「亮介さん!今月の日程を考えました!」
「日程?そんなの毎月、考えてるの?」
日曜の穏やかな朝。亮介さんは新聞から顔を上げると、手にしていたコーヒーカップを置きその手で私の手帳を掴み眺める。
「どれどれ。今日、クリスマスの飾り付け」
「うちではクリスマス前の恒例行事なんです!家をイルミネーションで照らす」
「…月の電気代は?」
「どれくらいかかるかって事ですか?」
「子供が出来てからで良いんじゃないかな?」
「子供が出来た時の為の予行演習に…」
「でも飾るライトはどうするの?」
「実家から送ってもらうように手配しています」
亮介さんはまた手帳に視線を落とし、指差す。
「クリスマスの1週間前のパーティて言うのは?」
「お義母様やお義父様や春市君を呼んでパーティすれば楽しいかなってダメですか?」
「ううん。楽しそうで良いんじゃない?葉瑠のお父さんとお母さんは呼ばないの?」
「う〜ん、お母さん呼びます」
「お義父さん忙しいしね」
「クリスマスは二人ですごせますか?」
恐る恐る問いかけると、亮介さんはくすりと笑う。
「楽しみだね、クリスマス」
「はい!」
「26日から大掃除か」
「クリスマスが終わったら大掃除です!28日には終わらせて、翌日からお節を作り始めます!」
「なら今年は二人で年越す?」
「実家に帰れるよう29日からお節を作るんです。勿論、此処に戻っても問題ないですよ。ただ亮介さんはご実家に帰りたいんじゃないのかと思って」
「良いよ、葉瑠が提案したクリスマスパーティで会えるし。新年も二人で過ごそう」
「わーい!私、ハッピーパーソン・オブ・ザ・イヤーの優勝者です」
「何それ?」
「今年一番幸せだった人に贈られる賞です」
「残念だけど、優勝は俺だと思うな」
「えぇ?」
そう眉根を寄せる私の顔を覗き込むと、チュッとキスをする。
幸福感で苦しい程に胸が満たされていく。腹八分目というように、この幸福感も八分目くらいがいいのかもしれない。でも私は狂うほどに亮介さんを愛している。
チュッと音を発て唇が離れた。私は首に腕を回し、自分からキスをする。
幾度か身体を重ねたお陰か、触れる程度のキスなら自分からもできるようになった。
リップ音を何度も発てながら、唇を啄まれる。身体が段々火照っていく。柔らかい唇の感触に浸っていると、濃厚なキスになった。鼻で荒い息を繰り返し必死に亮介さんの背中に腕を回し、しがみつく。
と、衣擦れの音がして服がたくし上げられた。
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豆腐戦士(プロフ) - マヒロさん» マヒロさん、コメントありがとうございます!私の駄作品を読んで頂いたそうで、大変嬉しいです(^^)御幸くんの小説については本当にお待たせします。まだ書いている作品があるので。ご理解頂けると幸いです(^^)今後ともよろしくお願い致します! (2017年8月1日 18時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
マヒロ - すごい嬉しかったです!お忙しいとは思いますが頑張ってください。楽しみにしています!(途中で切れてしまいすみません!) (2017年7月31日 22時) (レス) id: 97c48ff0e2 (このIDを非表示/違反報告)
マヒロ - 長文、失礼します!ダイヤの小説全部読みました。僕のお気に入りもパシリになる小説で、御幸くんつらいなぁ…と僕まで悲しい気持ちになりました。ここにあったコメ読んだときに御幸くんの高校生の話から見れると書いてあり、御幸くんに幸せになって欲しかったので (2017年7月31日 22時) (レス) id: 97c48ff0e2 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐戦士(プロフ) - ココアさん» 倉持くんのプロ野球の話で主人公の性格を変えたのは、おしとやかさより母親を全面に出したいと思ったので(汗)分かりました。御幸の話では性格変えずに書きますね。ご意見ありがとうございます。今後も作品共々よろしくお願いします(*´ω`*) (2017年7月23日 22時) (レス) id: 74fa4ef45e (このIDを非表示/違反報告)
ココア - もし悩まれたらこの意見を思い出していただければいいなと思います!豆腐戦士さんが連載されるのを心待ちにして待ってます!他の作品も頑張ってください!いつまでも応援していますね! (2017年7月22日 19時) (レス) id: 02b943e900 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:豆腐戦士 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年10月22日 15時