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十四輪目:カリン《唯一の恋》 ページ16

今日は雨が降っていた。
少し強くて時々雷も響いた。

あの日から僕はエンベイジフルックに行っていない。

…Aが心配だなぁ。


太「おや、乱歩さんじゃないですか。
  この時間って何時もいないですよね?」

乱「……」


なんだ太宰か。
こういう時に話し掛けられてもなぁ〜…


太「何かあったんですか?」


興味津々に聞いてくる太宰に少しいらつく。
それに、僕が一から説明してもどうせめんどくさいことになりそうだし。


乱「今機嫌悪いから。話し掛けないでー」

太「…?そうですか。」


キョトンとした顔をしたと思えば
太宰はにやりと笑って探偵社を出て行った。


乱「…変な奴。」


外から聞こえる雨音が大きくなっていくせいか、何だか孤独に感じた。



* * *



あぁ〜!もうどうしましょう!?
中原様がまさか私なんかを好きになっていたなんて…

江戸川様も気まずいですよねぇ…
最近此処にも来られていないし……

中原様にお返事をお返しした方が良いのでしょうか。

でも断ったりしてしまえば私も心が痛むというか…

シャリン

こ、この時間帯のお客様…?
もしかして!


『いらっしゃいませ!』

太「やぁ、こんにちは。」

『あ、えっと、武装探偵者の…太宰治さん?』


江戸川様だと思っていたのですが…
って、がっかりしている場合じゃないですね。
しっかりしないと!


太「おや、覚えていてくれたのかい?」

『は、はい。』

太「今日は雨が酷いねぇ。雷もなっていたし。」


太宰様がそうおっしゃった瞬間、
外がピカリとひかり、大きな落雷の音が響いた。


『きゃぁっ!!』


雷は大嫌いだった。
突然の音に驚いてバランスを崩してしまいこけそうになった時、
私の体を太宰様が支えてくれた。


『あ、ありがとうございます…!』


そう言った時、
ようやく太宰様が私の体を抱きしめていることに気づき
咄嗟に離れた。


太「あれ、嫌だったかな?」

『い、いえ!そういうわけではないのですが…』


何となく男性に抱きしめられるのは気が引けてしまうような感じがする。
すると、太宰様は私の頭を撫でた。


『へっ!?』

太「大丈夫怖くないよ。」


そのまま顔が近づいてきて唇が触れてしまう瞬間だった。


乱「ちょっと!何してるの!!」

『え、江戸川様!!』


久しぶりのその声は何よりも私を安心させた。

 

 

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 江戸川乱歩 , 中原中也   
作品ジャンル:恋愛
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愛雫優月(あいし ゆづき)(プロフ) - 一気見しました凄く内容が良くて最高でした✨更新待ってます.ᐟ‪.ᐟ‪ (3月28日 4時) (レス) @page14 id: b0983097f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すばり x他1人 | 作成日時:2023年12月15日 0時

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