こういう時に限って ページ12
ーーーーA視点ーーーー
「おいおいこんなもんかァ?」
ドンッ
分かっていた。
勝てる相手じゃないことぐらい。
彼の異能と私の異能は相性最悪だ
氷をいくら出しても打ち砕かれる
そんな時だった
あの雪だるまのキーホルダーがいきなり音を鳴らしはじめたのだ。
「「!?」」
[あーあー、聞こえてる?]
この声は間違いない
「治!?」
[Aー!無事かい?]
「アァ!?何で太宰が居るんだよ!!」
あら、二人は面識があるようね。
何処かで出会ったのかしら?
[もう、中也は相変わらず五月蝿いなぁ、ちょっと静かにしといて
A、このキーホルダーにはGPSと通話機能がある。
今すぐにそこへ向かうけど、それまで耐えられるかい?]
武装探偵社から此処までではかなりの距離がある。
おそらく来るまで10〜20分程かかるだろう。
熱はまだ出ていない
相手はポートマフィア幹部
正直不安しかないが、それ以外の方法は見つからない
「…分かった。出来るだけ早めに来て頂戴。」
[あぁ、分かっているとも。]
そのまま通話は切れた
本体自体小さいし、そこまで長く話せる訳ではない。
「手前、太宰の女か?」
「…は?」
何を言っているのだ、この男は
「あんな奴の女になってたまるか。
そのくらい其の小さな頭で考えられないのかしら?」
台詞を言い終わった後、直ぐさま此方へ向かってきた。
「一言余計なんだよ!!」
「あっそ。どうでもいいわ。」
いい加減、コイツの好き勝手にさせる訳にはいかない。
「此方も反撃といきましょうか。」
おそらく触れた物にしか重力は発動しない。
ならば氷で自分をカバーしながら動けばいいはず
まあ、それが治が来るまで持つかは正直のところ運任せといったかんじね。
早く来て頂戴、治……!
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作者名:すばり x他1人 | 作成日時:2023年10月20日 1時