検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:21,599 hit

四つ目の鍵 <弌> ページ28

二人が互いに繰り出した拳は避けられる

だがそれはフェイク

本当の攻撃は

ガキンッ

銃とナイフだった

「フンッ…!」

「……」

霜月の持つ銃とAのナイフが交わる

僅かに速かったAの攻撃は、霜月に防がれた

ヒュッ スタンッ

二人は互いの距離を取った

「今頃、彼奴等全員、殺られているだろうな 女狐」

「さあ…それはどうかな?」

霜月の言葉に、Aは笑みを浮かべて云った

「その余裕そうな笑み、崩してやるよ」

「…やれるものなら、やってみろ」

Aは切れた唇から流れる血を拭った

そして、前髪をかき上げる

右目が露になった

霜月は飛び出す

「(速い…!! でも…!)」

ヒュッ ヒュッ

Aは霜月の素早い攻撃をさらに速く躱す

「!!」

「(追ってやる…その速さ(スピード)!)」

繰り出される攻撃を、Aは凡て躱す

生体手術により、常人の数倍の速さを持つ霜月の攻撃を異能力を使わずに凡て躱すことは不可能に近い事だ

だが、Aは凡てを躱している

「(強化された動体視力と身体能力……それだけじゃねぇ…)」

攻撃を繰り返す霜月の眼にAの金色の瞳が映る

「(親譲りの超人的な頭脳で俺の動きを予測して、攻撃を避けている……)」

Aの瞳は霜月の攻撃の凡てを捉えている

銃弾をも捉える瞳は、霜月を捉え逃さない

「避けてばかりか?」

「!」

ドガァン

「ウッ……クッ…」

Aは霜月に蹴り飛ばされた

「ハァ…ハァ…」

Aは立ち上がろうと体に力を入れた

ドクンッ

「!?」

「フッ…」

「ハァ…ハァ、ハァ……(体に、力が…入らない?)」

「やっと、体に毒が回って来たか……効かないのかと心配になったぜ
流石、アルベールの激薬を表情一つ変えずに耐え抜いた奴だな…」

息が切れるAを見て霜月は言った

「ハァ……ハァ……(これは、マズイ…ただでさえ右手の傷で血を流し過ぎているのに…)」

Aは異能力を使った

黒い鎖が部屋に動めく

鎖は霜月の視界を埋め尽くすように動いた

「……異能力『囚はれたる文芸』」

バリィン

霜月の視界から鎖が音を立てて凡て消えた

ヒュンッ グサッ

「……!?」

Aが鎖を消された瞬間に投げた毒針が霜月に刺さる

ドサッ

霜月は片膝をついた

Aはその隙を狙い、背後から攻撃を仕掛けた

ガンッ

四つ目の鍵 <弐>→←三つ目の鍵



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朱鷺の砂 x他1人 | 作成日時:2019年8月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。