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裏切り者 ページ11

「そんなことはどうでもいいわ!
それより、どうやって此処に?」

ヴァネガットがそう言うと、

「おいおい、ヴァネガット 何時になく焦ってんなー」

「まぁ、裏切り者とは云え、彼女は元々 “十二針„ の一人……」

「…此処の構造は熟知していて当然」

三人組が部屋の扉を堂々と開けて入って来た

「それは…そうかも知れないけど…」

「久し振りだな、A」

黒がかった青い髪の青年が言った

「お久し振りです、Aさん」

金髪の青年が言った

「……よく裏切り者が来れたね 殺されると判ってるのに」

漆黒の髪で縫いぐるみと分厚い本を大事そうに抱えている少女が言った

「…酷いなぁ」

Aは少女に向かってそう言った

「まぁまぁ…折角久し振りに再会したんだ
もう少し優しくしてやれよ」

青い髪の青年が少女に言った

「…馬鹿」

「あ"?」

「喧嘩は止めて下さいよ、霜月君、弥生
初対面の方々もいるんですよ」

喧嘩を始めそうな霜月と弥生にそう言った

「何だ…あれ?」

「さあ?」

「まぁ、敵であることに間違いないでしょう」

突然現れた三人に呆気にとられる太宰達

「それより、珍しいこともあるもんだな
真逆お前が一人の男に忠誠を誓うなんて……槍でも降るのか?」

霜月がAに向かって言った

「槍で頭がかち割れて死ねばいいのに」

「同感です」

Aの返答に水無月は言う

「酷いな!」

「それよりも云うべきことがあるでしょう」

霜月に呆れたように青年は言った

「…そうだな
おい、水無月! お前が、“十二針„ を裏切るとはな…」

「私はこの組織自体を裏切った心算ですが?」

「ほぉ…」

「でも貴女達二人だけで、我々に勝つことが出来るとでも?」

ヴァネガットがAを挑発するように言った

「え?」

「?」

Aの反応にヴァネガットは少し戸惑った

「誰が私達二人だけって云ったの?」

「!?」

「だってそうでしょ? 私には、探偵社やマフィアを救う動機が無いんだから?」

Aはさも当たり前だとでも云うように言った

「まだ気付いてないのかよ」

霜月が言う

「え?」

「此処には明らかに、視界内に居る人間以上の気配がある」

八絃が静かに告げた

「その正体は、大方、探偵社とマフィアの構成員でしょうし」

「あぁ…やっぱり、バレてたのか」

アルベールがそう告げると、Aは口元に笑みを浮かべて言った

○イメージ画像1→←父と娘 <弐>



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作者名:朱鷺の砂 x他1人 | 作成日時:2019年8月1日 22時

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