[文豪ストレイドッグス(×カゲプロ)]眼は口程にモノを言う話

第２３章・電脳紀行　７ ページ9

「月瑞さん！」



「遅くなって御免なさい…如何なってる？」



谷崎君は何とも言えない様な表情に、歯切れの悪い言葉を引き連れた。



「月瑞さんが言ってた通り…矢張り逆探知しても迂回拠点が何回も仕掛けられてて。



　結局探知には成功したんですが…」



私は其の言葉の先を知って居た為、其の先は引き継いだ。



「廃棄された死亡者のPCだった…」



はい、と表情を暗くした。



「…如何云う事なンでしょう…こんなに周到に…」



「………」



死亡者は心臓病で少し前に病死して居るようだ。



疑うべくも無かったようだ。



病院で没して居るようだし。



然し、其処で普通納得なのだが、私はそうしなかった。



「其の死亡者…と云うより被害者…殺されて居る。



　多分、だけれど…」



「えッ！？」谷崎君は声を跳ねさせた。



「け、けど…其の方は…」



おろ付いた谷崎君に、「そう、病死」と私は返した。



実際病死なのだ、死因は。



谷崎君の持って居る被害者の資料を見た。



其処に書いてあった薬品名に、予想通りと眉を顰めた。



「其の患者の心臓病に使われて居た薬は、グレープフルーツに含まれる成分と相性が悪い。



　中の成分と薬を同時に摂取すると、血圧が急激に低下する…」

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