４ 普通のＯＬ ページ4
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お風呂のスイッチを入れ、目障りな物が無いか見ているとインターフォンが鳴る。
モニターを見れば当然彼で。
「ロック解除したので上がって来て下さい」
『うん』
シンプルなやりとりだけで会話は切り、彼用に着替えを準備する。
複雑な気持ちで寝室のクローゼット奥にある衣装ケースから新しいスウェットを出していると
今度は部屋のチャイムが鳴った。
「はい」
寝室を出てリビングのソファにスウェットを置いて彼を迎える。
居心地が悪そうに立ってるのは、何かを想像してるから？
そりゃそうかと思いながら「入って下さい」と促すと彼は素直に玄関に入り
そして
「すげえね？ 普通のＯＬさんかと思ってた」
これまた素直に感想を述べた。
私はそれに苦笑する。
「私は普通のＯＬですよ(笑)
広告代理店でＣＭの企画してます。
実は去年、大野さんのＣＭの企画もやりましたよ。
時間が合わなくてお会いできませんでしたが。
名前は眠屋Aといいます。後で名刺渡しますね」
リビングに案内しながら簡単に自己紹介し
「え？じゃ・・・」
ついでに彼の疑問に答える。
「ここは元彼から貰ったものです。ご丁寧に維持費までくれましたよ」
私の人生で一番ロクでもなくて、一番愛しい時間。
『いらなくなったら売ってもいい』と言われていたのに、３年経った今でもここから動けない私。
初めて、あの人以外の人をここに入れた。
関係ないのにこんな事を聞かされた目の前の彼は困った顔をしている。
まあ、当然だよね。
「すみません。余計な事ですよね(笑)
とりあえずお風呂入ってて下さい。私、下のコンビニで下着買って来るので」
「え、あ」
「ね？」
「うん・・」
「じゃあ、あっちです。
シャンプーとかは私のやつ好きに使ってください。タオルも棚にあるのをどうぞ」
さすがに深く突っ込まれたくなくて強引に導くと、彼は戸惑いつつも素直について来る。
何も言えなかったのかも知れないけれど。
彼を脱衣室に押し遣って「じゃあ、行ってきますね」と財布と鍵だけを持って家を出、
下着とＴシャツと靴下、後は簡単に食べられる物を買って戻ると彼はまだシャワー中で
私は着替えだけ置いて脱衣室を出た。
この家にあの人じゃない男の人がいる事実に、ふー、と息をつく。
あの人がここに来る事は二度と無いのに
彼の存在があの人の存在を消してしまうようで切ない。
・・・もう、忘れなきゃいけないのに。
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seiran(プロフ) - nemuさん» nemu様。こんなにご無沙汰にしていたのにまた読んで頂けてとても嬉しいです(T^T)ありがとうございます!! (2021年4月1日 1時) (
レス) id: ca27f5ec67 (このIDを非表示/違反報告)
nemu(プロフ) - seiranさん、ご無沙汰しています。お話更新して頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年3月30日 22時) (レス) id: c40904f8f1 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - Fu--chanさん» 年単位のご無沙汰での更新でした。こちらこそ、読んでいただきありがとうございます！ (2021年3月29日 0時) (レス) id: c5223b7e79 (このIDを非表示/違反報告)
Fu--chan(プロフ) - 更新ありがとうございます。 (2021年3月28日 23時) (レス) id: ad6226cb15 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - nemuさん» こっそりでもいいので(笑)お付き合い頂けたら嬉しいです（＾＾） (2019年3月23日 18時) (レス) id: ace4cd6236 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍(せいらん)
作成日時：2017年4月13日 9時
