300*醜い想い ページ14
ルナちゃんを連れて、寝室に入った
彼女をベッドにそっと寝かせ、僕も隣で横たわる
ルナちゃんは僕にぴったりと身を寄せ、足を絡ませてきた
「あーぁ…こんな無防備で……どうなっても知らないからね?」
口ではこんなこと言ってるけど、手を出す気はない
ルナちゃんのサラサラとした髪を指ですきながら
彼女の顔を見つめていた
「ココさん…大好き…」
もう何度目になるか、彼女は愛の告白を繰り返す
「好き…好き…」
その姿にクスリと笑い、僕も彼女に答えてやった
「僕も好きだよ…君を…君だけを…」
でも…この気持ちももう終わりだ…
諦めよう
仮に僕の気持ちを素面のルナちゃんに伝えたところで、彼女を困らせるだけだ
ルナちゃんは言ってくれた
『ココさんは、とても優しい人ですね』って…
だから…最後まで、彼女の…優しい僕で…
そう思えば思うほど、心の中のモヤモヤが大きくなっていく
泣きたいくらい悲しくなって
ついに僕は、彼女にのし掛かった
両手首を掴み、彼女の上に馬乗りになる
「違う…違う違う違う!!」
僕らしくもない、絶叫にも似た声が口から飛び出した
「僕は、優しい人なんかじゃない!本当はすごく醜い人間なんだ!」
ルナちゃんはキョトンとしたまま僕の顔を見ていた
「今だってそうだ!上辺はニコニコと穏やかに笑って、ただ紳士的な大人を演じているけど、本当は嫉妬で狂いそうなんだ!どうして僕じゃない!?どうしてあいつを選ぶ!!僕の方が君のことを好きなのに!!君のことを愛しているのに!!君がこれ以上他の男のことを想うのなら、誰の目にも触れられないよう君を閉じ込めて、ドロドロに甘やかして僕だけのことしか考えられないようにしたいと思ってる!」
次々と言葉が出てくる
情けないほど涙を流して、自分の想いを彼女にぶつけた
「ほら…僕は醜い人間だろう?汚い人間だろう?自分のためなら君のことを傷つけてでも手にいれようとしているんだ。でも…そうしないのは…君に、嫌われたくないから…君を、悲しませたくないから…」
彼女を強く抱き締めた
強く…強く…
僕の手から離れないように…
「僕は優しくない…そんな、立派な人じゃない…」
彼女の肩に顔を埋めた
体の震えが止まらない
「ごめん…ごめん…ごめんね……こんな僕で…ごめんね…」
「優しくなくても良いじゃないですか」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (8月26日 22時) (レス) @page33 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
零 慈-レイ ジ-(元:零ーレイー)(プロフ) - 私も1から読ませてもらってます!とても与作さんやそのほかのキャラへの愛を感じる作品だなあ、と感心してます・・・。作者さんのペースで良いので、頑張ってくださいね! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 7c94df9960 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年9月20日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 1から見させてもらっています とても面白いです ありがとございます (2020年9月17日 22時) (レス) id: 09e4e6eb84 (このIDを非表示/違反報告)
承太郎の帽子(プロフ) - お久しぶりです!この間にゃんこさんの小説を最初から読んでいったらトリコ熱がまた上がっていきました!!更新遅くても首を長くして待っています! (2020年1月13日 11時) (レス) id: dbaa959796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんこ | 作成日時:2019年6月29日 13時