赤色迷宮マリッジ♯2 (ページ34)

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70.浮気ノテイギページ34

以前、二宮せんせーと
大野せんせーの3人で呑みに行った時。
2人はこんな事を話していた。

『浮気なんてバレなきゃ浮気じゃないよね？』

『んだねー。
知らなければ彼女は幸せなままだもんね。』

『そうそう、
だから彼女の為にも浮気をするなら全力で隠す！
コレが浮気をする時のマナー！』

そんな浮気する気満々な会話を聞きながら
『なるほど！憶えておきます！』と、
あまり飲めないビールをチビチビ飲んでいたのを
思い出した。

あの時は2人の言っている事が
『確かにそうだ！』
なんて変に納得しちゃってたけど
いざ自分がその状況…
って言っていいのか分かんないんですけど
そんな様な状況に置かれて
全力で隠せるかってなった時、
無理。だと思った。
と、いうより隠したくない。
隠せばそれは完璧な浮気になってしまうから。

だから正直に言うんです！
バカ正直に。

.

「二宮せんせーと…キキキキキ…ススス…」

とは言ったものの
やっぱりキンチョーして声が震える。
しかも、翔さんの目つき。
眉毛の角度。
恐ろしく険しいんです！

「キキキススス？
そんな日本語は知らねぇな。」

攻める攻める。
こ、怖いよぉ。
私もそんな日本語知らないですよぉ。

「…キスしてしまいました…。」

恐怖のあまり翔さんから目を逸らし
告げました。

それから少し間が開いて、

「…やってくれたな？」

今まで聞いた中で一番低い声で
ボソリと呟いた。