59.トンズラ ページ23
今日も平和に授業は終わり。
もうすぐ始まるテストに
生徒たちは足早に帰宅。
「じゃーね、赤西。」
「コラ、"先生"を付けて下さい。
それに私はもう"櫻井"です！」
箸を転がしても笑える年頃の生徒たちは
ケラケラ笑いながら続々と帰っていく。
私はこの仕事が好きだな…。
教室の机を整理して職員室に向かうと
今から始まる草むしりの準備をして
二宮せんせーを待っていた。
だけど待てど暮らせど二宮せんせーは現れない。
「まさか…逃げた！？」
時間が時間だったので
仕方なく先に1人ですることに。
さすがにちょっとプリプリしちゃって。
その怒りで草をむしるスピードが速いこと速いこと。
黙々とむしって
あと少しってところで
「はい、お疲れ様ー♡」
なんてチャラチャラした声が聞こえてきた。
「…酷すぎです。」
「あ、なぁに？怒っちゃったの？
ごめんってー！
視聴覚室でさ、大野さんと…」
「わーーーー！分かりました！
もうこれ以上は言わないで下さい！！」
くふふ、と笑って白衣を着たまま座り込み
一緒に草むしりの続きを始めた。
午後3時過ぎ。
梅雨だってのに気温は33℃まで上がっていて
本当に暑かった。
私は帽子をかぶり
通気性のいい服を着てたから良かったんだけど
途中で来た二宮せんせーは
完全インドアな格好で来てしまったから
そうはいかなかったみたい。
「…なんか、気持ち悪い…。」
「まぁたサボろうだなんて…
そうはいきませんから…ね…って
顔色悪くないですか！？」
真っ青。
いつも白いんだけど今はもっと青白い。
これは熱中症だ！
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年7月10日 22時
