51.愛情表現ッテヤツ ページ15
二人きりになった私とアイバチャンさん。
初対面なのに波長が合うと言いますか…
すぐに打ち解けた私たち。
「ねねね！
課長ってばAさんにベタ惚れだよね！？」
「えーー？
やっだぁー♡そう見えます？？んはっ♡
……でも、それはナイです。泣」
ドーナッツを頬張りながら
アイバチャンさんと女子トークなんて始めました。
「そぉかなー？
だってね、会社でよく"ウチの嫁がー"って
話してくるからさ。」
「え！？
櫻井さんが私の話をするんですか！？」
ちょっと意外すぎてビックリです。
「うん。
えーとね、お中元のハムとか…
ドラム缶とか…タマゴクラッシャーとか…」
「もー、止めてくださいー。泣」
なんてこと言いふらしてるんですか！？
「すんごく楽しそうに話してくれるんだよ！」
「もしかして私に笑いを求めてるんですかね？」
そう言うとアイバチャンさんは
笑いながら首を横にブンブン振る。
髪の毛をキラキラサラサラ揺らしながら。
「そうじゃなくてさ。
可愛くてしょーがない感じ！」
「またまたぁ〜笑」
「本当だって！
でもね、
課長ってば仕事がバカみたいに出来るくせに
そういうのは苦手みたいでさ。」
「そういうの…とは？」
「愛情表現ってやつ？
お昼ご飯も俺の仕事を手伝ってくれて
帰れないことを連絡したかったのに
ケータイ番号知らないって言うからさ。
ほら、課長って
自分からグイグイいくタイプでもないし。
素直じゃないじゃん！？」
「まだ付き合いが浅いのでよく分かんないんです。」
「だからさ、Aさんから番号
訊いてあげてよ！ね！？
本当はすっげー知りたがってんだよ。」
「そ、そうなんですか？」
私の知らない櫻井さんの姿。
私に興味がなく割り切って結婚したものだから
連絡先も興味がないのかと思ってた。
「俺から見ると2人はすっげーお似合い！」
私は単純だから
ドーナッツ片手にサニースマイルの
アイバチャンさんの言うことを
そのまま鵜呑みにしてしまって
舞い上がってしまいました。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年7月10日 22時
