08.ランチタイム ページ8
正午のチャイムで
社員は一斉に社員食堂へと流れ込む。
いつもならこの流れに乗って
社食のランチメニューをオーダーするんだけど
今日は
お弁当持参！
あああ、コレぞ女子。
完全なる自己満で
食堂の一角にトリンドルと向かい合って座る。
「珍しいこともあるもんだ。」
「キャラ弁とやらは女子力高いと聞いたもんで。」
「へー！キャラ弁なの！？
明日は台風でも来るんじゃない！？」
「む！失礼な！」
驚くトリンドルがパカッと開けたお弁当箱の中には
チェリーメイちゃんのキャラ弁が。
うわっ！？
なんだこれ！？
トリンドル弁当の破壊力凄すぎ。
鮭フレークで彩ったチェリーメイちゃんに
プチトマト、卵焼き、ブロッコリーと。
全体的に彩りよく出来てる。
これぞ、女子弁！！
「で、Aのキャラ弁は？」
どうしよう…。
開けたくない。
「早弁しちゃったから無い。」
「嘘でしょ！？
この後に及んで見せない気！？ほら！」
「あーーー！」
無理やり開けられたお弁当箱。
蓋を開けた瞬間…
「「くっさ！！！」」
足の臭いが広がる。
「ちょっと！！
あんた、何コレ！？
生ゴミ！？」
「ひ、酷すぎる！！
キャラ弁でしょ！？
ねば〜る君でしょ！？」
「ねば〜る君って
キャラチョイス間違えすぎでしょ！」
「だって納豆好きなんだもん！」
トリンドルの色鮮やかなお弁当と違い
ひたすらに茶色いお弁当。
リアリティを出したくて
本物の納豆を入れた結果激くさ。
あまりの臭さに周りもざわつく。
「うっ！うわぁぁぁぁ！！」
悲しきかな。
女子を意識したらこれだ。
もう作らない！
キャラ弁なんて2度と作ってたまるか！ねばー！！
私はくっさいお弁当箱を抱え
ひとり社員食堂を飛び出した。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年2月24日 22時
