24.欠けたコップ ページ24
案内された部屋には
畳の上に直に置かれた布団一式とローテーブル。
いや、この部屋から言うとちゃぶ台。
それからギッシリと本が詰まった本棚。
それだけ。
この部屋に置いてあるのものは
たったそれだけ。
テレビもパソコンもエアコンも空気清浄機もない。
本当に昭和の時代にタイムスリップしたようなお部屋だ。
さっきまでの酔いは一気に醒め
思わずキョロキョロ。
「今、水持ってくるから
そこで座ってて。」
ちゃぶ台の前に座り
サトチを目で追いかけると
水道を捻りコップに水道水を入れた。
「はーい、どうぞ。」
そしてソレをそのまま出される。
わっ！
コップが欠けてる！
コレは危ないよ。
「あ、ありがと…。」
喉カラカラだった私は
その危険なコップのお水を飲み干す。
ぷはーーー。
危険な橋を渡りつつ生き返ったー。
「よっこいしょ。」
サトチもちゃぶ台の前で向かい合わせに座り
さっき採っていた草を袋から取り出した。
「サトチ？
それ、何？
草むしりしてたんじゃないの？」
「へ？違うよ。
これ干してお茶っぱにすんの。」
ガビーーーーン！！！
衝撃的発言。
嘘でしょ！？
雑草ってお茶っぱになるの！？
「ん、まぁ
あんま美味しくはナイけど。」
「だ、だよねー…。」
あは、あははは…って思わず苦笑い。
その間サトチはせっせと草の選別をし出す。
何か違うのかな？
同じ雑草にしか見えないけど…
「サトチ…？
何か借金とか…してんの？」
「え？」
うわー、バカ！！
なんでこんなストレートな質問したの！？
バカ！！バカ！！
「あははー！
ナイナイ。借金はない。
ただ…」
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2016年2月24日 22時
