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さ「落ち着いた?」
私「…はい。」


さとみ先輩がそっとホットコーヒーを差し出してくれる。

それを受け取って口をつける。

ミルクと砂糖がたくさんの優しくて、あまいあまいコーヒーで心が満たされる。


あの後、騒ぎを聞いて駆けつけてくれたななもり先輩が部長を(なだ)めてくれて、ジェル先輩ところちゃんが取引先に頭を下げに向かってくれた。
そして、その間に私はさとみ先輩に支えられながら仮眠室に連れてきてもらった。

目の前のコーヒーは莉犬くんとるぅとくんが心配して持ってきてくれたものだ。


あれからどれくらい時間が経ったのだろう。


私「……すみませんでした。」
さ「ん?なにが?」
私「色々迷惑掛けてしまって…。」
さ「俺が勝手にやった事だし迷惑じゃない。」

(うつむ)いていると、先輩が隣に腰をおろした。
右側に先輩の体温を感じる。

1度画面を確認して、ケータイをポケットにしまい、さとみ先輩が口を開いた。


さ「いま莉犬達から連絡があった。部長があの仕事任せたのAじゃなくて別のやつだったらしい。」
私「そうだったんですね…。」
さ「あとジェルからも連絡があって取引先との関係もどうにかなりそうだってさ。」
私「よかったです…!」


体からずるずると力が抜けていくのを感じる。
そして、横にいる先輩が私の方に体を反転させた。




いつも通り、日当たりの悪いこの部屋。
あの日のように、やっぱり先輩の顔は見えなかった。


私の右手を先輩の大きな手のひらが優しく包んだ。


さ「寝てもいいよ」
私「よ、よくないです。」

心臓がうるさい。

さ「人って怒鳴られると疲れちゃうんだよ。特にAはそれが分かるでしょ?」
私「そ、それは…」


先輩がそのまま優しく私の腕を引いて、強制的に膝に寝かされる。




私「仕事ちゅ……」
さ「許可とってる、大丈夫だから。」


一定のテンポで頭を優しく、ゆっくりとぽんぽんされ、もう完全に先輩のペースに惹き込まれていた。



ああ、ころちゃんが言う通りなのかもしれないなぁ、なんて。

先輩、

私、先輩のこと好きみたいです。






さ「おやすみ……。」


先輩の言葉も耳に届かないほど、私はそのまま深く眠りに落ちた。

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設定タグ:すとぷり , 歌い手 , さとみ   
作品ジャンル:恋愛
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成瀬(プロフ) - 赤猫君。@あーる(元乃猫だよ)さん» 続きます.......!スランプで書けていないだけです。申し訳ないです....... (2019年11月3日 2時) (レス) id: 93719b2bfa (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。@あーる(元乃猫だよ)(プロフ) - 続くってなってるけど終わりなのかな? (2019年10月23日 13時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
狸桜(プロフ) - 成瀬さん» レスありがとうございます!いつまでも楽しみに待ってます(*^_^*) (2019年7月17日 11時) (レス) id: defbb4a183 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 狸桜さん» ありがとうございます!最近亀更新で申し訳ないです(><) (2019年7月17日 0時) (レス) id: 9d7c1eba17 (このIDを非表示/違反報告)
狸桜(プロフ) - 初コメです。全体的に好きでした。明るいのと暗いのどちらも好みです!更新楽しみにしてます!(*´∇`*) (2019年7月16日 17時) (レス) id: defbb4a183 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成瀬 | 作成日時:2019年6月14日 20時

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