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時刻は8月14日、午後11時58分。
『父さん、話って何？』
父さんに言われて部屋に入ると、そこには涙で目を濡らす父親がいた。
「…ユウキ、母さんがいなくて寂しいだろう？」
その言葉を聞いて俺はなるほど、と思った。
――――再婚、だな。
新しく母親ができるぞ、とかそんな話だろう。
『まあね、ちょっと寂しいかな。』
「……そうか、ゴメンなこんな父親のせいで…。」
このとき、俺はもっとちゃんと考えるべきだったんだ。
そんな話なら、泣くわけがないって。
「もうお前も中学生か…大きくなったな。」
『？』
父さんは俺を抱きしめ、震える声で言う。
「寂しいよな、つらいよな、苦しいよな………。」
『と、父さん……？』
俺は普段とは明らかに様子の違う父親を見て動揺する。
「父さんも苦しい、母さんが死んでからどれだけ悩んだか……。」
それは知っていた。
ここ最近、母さんの名前を呼びながらずっとうなされている。
「……ユウキ、これからはもう苦しまずにすむぞ。」
『え…？』
「父さんと一緒に…
楽になろう。」
『――っ!?』
首が圧迫される。
『っっ……………………!!』
感じたことの無い恐怖に襲われ、肺が酸素を求めるが息をしようとするほど体の中の酸素が出て行ってしまう。
「……ごめんな、ユウキ。」
最後に聞こえたのは父さんの声。
視界の端に見える時計の時刻はすでに夜中の十二時を回っていた。
奇しくも、八月十四日は
母さんの命日だったのだ。
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sanguine - 全部読ませていただきました。ストーリー構成や内容など上手いですね。続き楽しみにしています！ (2014年8月19日 10時) (携帯から) (
レス) id: abe28fee4e (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - とても面白いです！！更新頑張ってください！！ (2014年8月4日 11時) (レス) id: c5ff4717a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺羅 | 作成日時：2014年7月18日 11時
