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本能がそう言っている ページ3

「……一緒に帰ろう、ヒビヤ。」

じっと見つめるコノハをヒビヤは睨む。

「っ…誰がお前なんかと……。」


二人のやり取りを見てカノはキョトンとしている。


俺はその隙を逃さない。

「うわっ!!?」

カノに向かって体当たりをする。


『モモちゃん、ヒビヤを!!』

「ヒビヤくん!!」

「!?おじさんとおばさん何して――」

「話はあと!!」

『あとで連絡するから!!』

モモちゃんが"はいっ"と返事をしたあと、ヒビヤくんをつれて走り出す。

周囲にいた人達はざわめきながらもモモちゃんを追って行った。

俺とカノ、コノハの三人だけが取り残される。


「痛いなぁ…あーあ、逃げられちゃった。」

「…せっかく……。」

コノハがポツリと呟く。

「せっかく…見つけたのに……。」

体を震わせ目に涙を浮かべている。


な、なんだよ泣くなよ、俺が悪いみたいになってんじゃん!!

「だ、大丈夫だよ、生きてることはわかったんだし追いかけようよ!?」

『あっ、追いかけるなら情報バラ撒くからそのつもりで。』

俺がそう言うとカノは苦笑する。

目の奥には熱が帯び、夢のことを思い出す。

「あぁそうだった、その目…君も使えるんだね。」

使える、とは何のことなのか。


もし、あの夢が正夢めのような物なら、答えはわかってる。

信じられないような、非現実的な話。

「そうだ、君も連れてっちゃおう!コノハくん捕まえて!!」

『!?』

すると、不意に腕が拘束される。

コノハが後ろで俺を羽交い締めにしていた。

くっ…びくともしねぇ……!!

『……おい放せよ、情報バラ撒くぞバカノ。』

「やだなあ、僕も君みたいな人を野放しにするほどバカじゃないよ?」

ニヤリ、と笑う。


――ヤバイ。


本能がそう言っている。

「お、電話だ…もしもーし。」

突然鳴り出した電話にでるカノはヘラヘラして話す。


「うーん、一人見つけたんだけどさ逃げられちゃった。……もぉそんなに怒らないでよ怖いなぁ。」

なんとか逃げる方法は…。

「それより面白いことになってきたよ。」

面白いこと…?


「マリーの本に書いてあった"奪う"の子、見つけた。」

おそらく"奪う"とはモモちゃんのことだろう。


「それとね、」

カノは俺を見ながらニヤッと笑って言う。

「たぶんだけど、"残す"の人捕まえちゃった♪」

ちょっと待て、それは俺のことなのか?

いよいよヤバくなってきた。
本気で逃げる方法を……。

そうだ、ポケットにアレが入ってる。


最後の悪あがきだ!!

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sanguine - 全部読ませていただきました。ストーリー構成や内容など上手いですね。続き楽しみにしています! (2014年8月19日 10時) (携帯から) (レス) id: abe28fee4e (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - とても面白いです!!更新頑張ってください!! (2014年8月4日 11時) (レス) id: c5ff4717a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綺羅 | 作成日時:2014年7月18日 11時

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