なんて勝手な電話だ ページ12
「ご主人、ちゃんと撮ってますよ!全部出しましょう!!」
コイツ、他人事だと思って…。
「つーか何考えてんだお前は!!死ぬだろうが!!」
「し、仕方ないじゃん!こっちだって必死に逃げてたんだから!」
「逃げてたって、借金取りですか?」
「う、うん違うけど……?」
さっきからコイツは……。
「それよりコイツだけか?ヒヨリはどうしたんだ?」
「うん、ヒビヤくんだけだったみたい。」
地面に転がり、気絶しているヒビヤを見た。
可哀想に、散々モモに振り回されたんだろう…。
そういえばコイツだけみたいなこと言ってたな…。
「!そうだお兄ちゃん、ユウキさんから電話とか無い?」
「は?なんでユウキなんだ――」
言いかけたところで、"おやっ"とエネが反応した。
「噂をすればなんとやら!ご友人さんからですよ、ご主人!!」
「はぁ……?」
ケータイの画面を見ると、そこにはユウキの番号が表示されている。
コイツも何なんだ、こんな時間に…。
仕方なくアイコンをタップして通話に出た。
「もしも――」
『こんな夜中にすまんシンタロー!色々緊急事態でモモちゃんの番号知ってると思ったら知らなかった!!つーわけで教えてくれっ!!』
…………………。
ユウキの機関銃のような喋りに一瞬イラッとした。
「……電話、切ろうかな…。」
『ゴメンナサイ!!でもマジで非常事態だからお願いします!!!』
「モモなら俺の横にいるよ。」
チラッとモモを見ながら答える。
『マジで!?そ、それでヒビヤは!?』
「ヒビヤもいるぞ。」
『はぁ…………良かった……!』
そう言うユウキの様子は心底安心したようで、大きな安堵のため息を吐いた。
「んなことより、なんでお前がヒビヤのこと…。」
『あ、詳しくは隣のモモちゃんに聞いてくれ。とりあえず今日は即帰宅しろ、ヒビヤも連れて!』
は?
「おいなんで」
『俺忙しいからまた明日な、それじゃ!!』
"ツー…ツー…ツー……。"
「……………………………。」
なんて勝手な電話だ…。
「ユウキさん、なんて言ってた?」
「とりあえずすぐに家に帰れってよ、ヒビヤを連れて。」
「まだヒヨリちゃんも見つけられてないのに…このままじゃヒヨリちゃんが……。」
たしかに、こんな夜中に小学生の女の子が行方不明ってのは………。
「…あの〜、」
「ん?なんだよエネ。」
「私、探しましょうか?」
俺とモモの口があんぐりと開いた。
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sanguine - 全部読ませていただきました。ストーリー構成や内容など上手いですね。続き楽しみにしています! (2014年8月19日 10時) (携帯から) (レス) id: abe28fee4e (このIDを非表示/違反報告)
ルミカ - とても面白いです!!更新頑張ってください!! (2014年8月4日 11時) (レス) id: c5ff4717a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅 | 作成日時:2014年7月18日 11時