最近の小学生はなんて強いんだろう ページ10
「お、おばさんっ…!?」
次の瞬間、少女の右ストレートが少年の腹にクリーンヒット。
少年は腹を抱えてうずくまった。
なんてムダの無い鉄拳だろうか…。
「あのねぇ!!話してもらえるだけでもすごいことなのよ!?」
少女はため息を吐いてこちらへ向きなおった。
「本当にすみません!あっ、私"朝比奈日和"っていいます!こっちの田舎者は"雨宮響也"っていう子なんですけど…失礼なこと言ってごめんなさい!」
「あっ、いいよ別に!それに私なんかのサインなら書いてあげる!」
すると、ヒヨリという少女は目を輝かせた。
「い、いいんですか!?ありがとうございます!!」
そしてヒヨリはいそいそと可愛らしいカバンから色紙を取り出す。
なんて準備のいい事だ。
「……どうしようお兄ちゃん。」
「?何がだよ。」
モモは俺に耳打ちをする。
「私、サイン書くのすっごく遅いんだけど…。」
「……どのくらいかかるんだ?」
なんとなく嫌な予感はしつつも聞いてみる。
「―――三十分くらい…?」
どんな超大作だよ!!!!
どいつもこいつも時間かけすぎだろ!!
「…………!」
そうこうしているうちに、俺達の周りに人が集まっていた。
集まってきたヤツらの目的は解りきっている、モモだ。
ケータイを手にカメラをモモへ向けている。
っ…厄介だな、なんとかしてこの人だかりを追い払う事はできないだろうか……?
そう思った時だ。
「――ちょっと。」
ヒヨリが男の手首を睨みながら掴んだ。
その手にはケータイが握られている。
「いきなりそれはマナーが悪いんじゃないの、お兄さん。」
「っ!」
ヒヨリは睨みを効かせて周りを見渡し、息を吸い込んで言った。
「アンタ達も!!」
その場にいた全員が肩をビクッと揺らす。
「女の子に無許可でカメラを向けようだなんて、甚だしいにもほどがあるわ!!!」
「でもヒヨリだってサインもらおうとしたじゃ――」
少女の右ストレート。
少年はそのまま崩れ落ちる。
「とにかく、モモさんはプライベート中なの!わかったらさっさと消えなさい!!」
少女の一声で、周囲を囲んでいたヤツらは瞬く間に去っていった。
最近の小学生はなんて強いんだろう…。
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稀羅(プロフ) - 生クリィ〜ムさん» 更新早くできるよう頑張ってるのと、長く書きすぎて1ページじゃまとまらないんで分けてます笑笑 (2014年7月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 0a116ef314 (このIDを非表示/違反報告)
生クリィ〜ム - 更新はやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!! (2014年7月14日 21時) (レス) id: 4489838bdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅 | 作成日時:2014年7月13日 22時