罪な男だ ページ12
『…で、この子達は?モモちゃんの知り合いか何か?』
ユウキは俺とモモに飲み物を渡すとヒヨリとヒビヤを見た。
「あぁ…この子達はですね、ってヒヨリちゃん?」
ヒヨリを見ると、ヒヨリはユウキをじーっと見つめながら頬をほんのりとした桜色に染めている。
モモが再び名前を呼ぶと、ハッとして背筋を伸ばした。
「私、朝比奈ヒヨリっていいます!夏休みの間だけ都会の伯父の家でお世話になってます!」
『そっか、俺は神野ユウキ。よろしくなヒヨリちゃん。』
「はいっ!!」
ユウキが笑顔を見せるとヒヨリは頬を染めて元気良く返事をした。
『んで、君は』
「なんでわざわざ名乗らないといけない訳、おじさん。」
ヒビヤがユウキの言葉を遮った。
そしてヒヨリの右ストレート。
「なんでアンタは失礼なことばかり言うの!!」
『まぁまぁヒヨリちゃん、女の子がそんなことしちゃダメだろ?』
「う……ごめんなさい…。」
『ん、いい子いい子。』
ユウキがヒヨリの頭を撫でた瞬間、ヒビヤが恨みを持つような目でユウキを睨む。
………罪な男だ。
「そうだヒヨリちゃん、よかったら一緒に買い物行かない?」
「え!?いいんですか…!?」
モモの提案にヒヨリは顔を明るくさせた。
「うん!ちゃんとさっきのお礼とかしたいし、サインも書くの遅いから…喫茶店とかで書いてあげる!」
「じゃあ私また人払いしますよ!集まってきたら大変ですし…。」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
トントン拍子で進む話しにヒビヤが口を挟んだ。
「今日は僕ら二人で行くって話だったじゃん!」
「はぁ?別にアンタと二人じゃなきゃダメなわけじゃないんだからいいでしょ。」
「っ…そりゃそうだけどさ……。」
ヒビヤは口ごもってしまい、その様子を見ていたモモが突如ニヤニヤしだした。
「ははぁん、なるほどねぇ……。」
「!な、何ニヤついてんだよ…!」
「いやぁ…なんか悪いことしちゃったなぁ、ってね……。」
そのわりにはまったく悪びれもない顔をしているが。
すると何かを察したのか、ヒビヤは顔を真っ赤にさせた。
「へ、変な勘違いすんなよおばさ―――――」
―ドスッ―
「モモさんユウキさん、行きましょ!」
『ダメって言ったのに…。』
「大丈夫ですよ、耐えれますからあの子。」
うずくまるヒビヤを置いて、ヒヨリは二人の手を引いて行った。
「お前…不憫だな。」
「アンタに言われたくない……。」
………………………。
お互い、頑張ろうぜ。
end,
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稀羅(プロフ) - 生クリィ〜ムさん» 更新早くできるよう頑張ってるのと、長く書きすぎて1ページじゃまとまらないんで分けてます笑笑 (2014年7月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 0a116ef314 (このIDを非表示/違反報告)
生クリィ〜ム - 更新はやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!! (2014年7月14日 21時) (レス) id: 4489838bdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅 | 作成日時:2014年7月13日 22時