【カゲプロ男主】ア｢シンタローの親友!?二人共そんな関係だったの………？｣『愛してるぜシンタロー。』シ｢誤解される、やめろ。｣・その10

おあ ページ8

さて、モモちゃんの仮装についてだが………それはあえて触れないでおく。

頭に角(本人曰く豚の脚)が生えてることだけ伝えておこう。


ある意味、最優秀ハロウィン賞だ。





｢わー、美味しそう！｣


テーブルに並ぶ様々なカボチャ料理。
これをキドが作ったのか、女子力高いぞ。

よくこれだけのレパートリーがあったもんだ。


｢ハロウィンは色んな人に"トリックオアトリート"って言って、お菓子を貰うんだよ。｣

｢とりっくおあとりーと？｣


モモちゃんが料理を頬張りながらマリーちゃんに説明している。


『"お菓子かイタズラか"って意味。お菓子を貰えなかったらイタズラしてもいいんだよ。』

｢へぇー！｣

｢へぇ、そういう意味だったんですね！｣


…………モモちゃん、君は一体今まで何だと思ってたの。


｢ねぇユウキ、とりっくおあとりーと！｣

おっと、そうきたか。


あいにく、お菓子なんて俺は持ってない。

思考を張り巡らせ、最善策を見出だす。



……………そういえば、最近始めた株の優待でケーキバイキングの券があったはずだ。
よし。



『マリーちゃん、明日もし暇だったらケーキ食べに行こうか。』

｢ケーキ!?行く！｣

パアッと顔を明るくさせるマリーちゃん。

やべぇ、マジ可愛い。


……………大事な事なので何度も言うが、"俺はロリコンじゃない"。


｢うわぁユウキくんズルいね、お菓子を持ってないからって。｣

『何とかなりゃそれでいいの。なぁカノ。』

カノは首を傾げる。


そして俺は笑顔で言った。

『トリックオアトリート。((ニッコリ。』

｢え!?いやーえーとそのー………。｣


カノの目があちこち泳ぐ。


そもそもの話、食事中にお菓子を持ってるなんて考えられない。

『イタズラ決定♪』

｢ちょ、ちょっと待って!!｣

待てと言われて待つ馬鹿はいませーん♪


俺はあらかじめ用意していた墨汁と筆を瞬時に取り出し、丸とバツをカノの顔に大きく描いた。



その間、わずか1.37秒。



｢ちょ、何するの!?｣

『え、落書き。』

｢時季！時季違うよね!?これお正月に羽子板で負けたらするヤツだよね!?｣

『シンタロー、そこの醤油取って。』

｢おう。｣

｢無視!?やめて、僕の話を聴いて!!｣


ひたすらカノをスルーしていると、

｢ねぇシンタロー！｣

マリーちゃんがシンタローの袖を引っ張っていた。

にこにこ笑っているが、なんか嫌な予感がする。


｢とりっくおあとりーと！｣

｢えﾞ………。｣


完全に予想外というような表情だ。

先程のカノ同様に目が泳ぎ、さらには冷や汗まで流れている。


マリーちゃんを泣かせる訳にはいかないぞ………どうする、シンタロー！

とりーと！→←とりっく

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