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朝からシャワーを浴びて、日頃乾かさない髪をセットまでした。山田の隣にいるんだから、変な姿じゃいられない。

可愛い服にしようか、かっこいい服にしようか悩んだ。
山田はきっと何着てもオシャレでかっこよくなるだろうから、俺は少し可愛い系の服装にしよう。

と、鏡の前で2時間悩んだ昨日の夜。

【明日楽しみだね】

なんてメッセージが山田から来るもんだから浮かれちゃって眠れなかった。




順調と感じている仮の恋人生活。
一緒に過ごせば過ごすほど山田への気持ちが膨らんでいく。膨らめば膨らむだけ不安も大きくなった。



山田が好きにならなかったら?



山田が辞めようと言えばすぐ終わってしまう仮の恋人関係。どうしても、心の片隅でその事が引っ掛かる。

好きになればなるほど、苦しくなった。

せっかくのデート前なのに、ネガティブな気持ちが邪魔をして、ため息が出る。


よし、切り替えよう!
せっかくのデートだ!
…最初で最後かもしれないし。

…大丈夫。山田に会えばこんな悩みどこかに行っちゃうんだから。


不安をかき消すように鳴った着信は山田からで


「迎えにきちゃった。駐車場にいる〜」


「え!嬉しい!今から出るとこだった。すぐ行くね」


ほら、もう消えた。山田に会えば大丈夫。


「慌てないでゆっくりきて」


了解、と電話を切り、少し早足で山田の元へ向かった。

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作者名:雨のち雨 | 作成日時:2024年3月17日 23時

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