立花彩の秘密〈完〉

若武活躍 ページ39

「おーい、黒木。まだか〜〜。」

若武！？

「あれ、どういう状況？？？」

「今被害者の証言通りのモノが大量に現れたから、対処したところだよ。ほら、そこに山になってる。」

「アーヤは無事ッ……だよな。運動神経いいんだもんな…。」

「まあ、そう落ち込むなって若武センセ。見せ場はまだあるぜ。例えば…」

？？？黒木くん、なんて言ったんだろう。なんだか若武のやる気がみなぎっているような…。

「…上木さん、そういえばここらへんでバイト募集してるって知っていました？なんかヤバいらしいっすよ。スノウだとか。誰か心当たりありません？」

「残念ながら僕にはそういう危険なバイトとのつながりはないかな。君も気をつけたほうがいいよ。」

「黒木、今の録ってる？」

「バッチリだよ。」

…なるほどね。

「上木さん、僕は時給が高いスキー場のバイトについて聞いていたんですけどね…。そういえば、大阪にはないんでしたっけ。滋賀とかだったかな。」

「っ…俺が人体実験をしていると知ってはめたな！？」

はい、残念。その言葉さえ言わなければ言い逃れできたかもしれないのに。
若武は確かにコカインの隠語(スノウ)という言葉を使って上木洸佑を誘導したかもしれないけど洸佑もその真髄には言及していない。スキー場のバイトは危険だとかなんとか(いいわけ)言っておけばね。若武の二重の罠(詐欺能力)に見事嵌められたというわけだ。今の最後の言葉が若武にとっての欲しかった言葉(証言)なのよ。


「…若武、洸佑が放心状態の今のうちに一旦みんなのところに戻ろう。」

「アーヤ！！俺カッコよかっただろ！！！！」

たしかに、カッコよかったかな。

「…うん。カッコよかったよ。」

「だろー！！！」

「うるさいわよ。」

「若武センセはアーヤに褒められてご機嫌なんだ。そっとしておいてあげてね。」

「…まぁ、黒木くんが言うなら。」

「とりあえずみんなのところに合流だ。そっからどうするか決めよう。」

「とりあえずマスコミだな！！新聞社でもいいがテレビのほうが目立つからな！！！」

「…それは帰ってから決めよう。」

「そうだね…。」


「おかえり。」

「忍。闇バ見つかったの？」

「うん。結構セキュリティきつかったから途中帰ってきた上杉にも手伝ってもらった。」

「そう、お疲れ様。上杉くんも。」

「で、コレはどうする？やっぱマスコミか？？？」

そう言った若武の手にはレコーダーが握られていた。

上木さんにご報告→←ピンチ!?

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