アルストロメリア〜ヤギを追う元調査兵団〜

＊競技ダンス対決事件 ページ32

最近、ヴァレンティーノが大人しく、私や荻野警部は事件などはありつつも、ある程度穏やかな毎日を過ごしている。

『この紅茶美味しいですね』

リ｢俺が選んだからな、当然だ｣

お昼休みにリヴァイさんとお茶会を楽しんでいた。

荻｢剣持！頼む、力を貸してくれ！｣

『はい？？』

ついさっきまでは・・・

『｢競技ダンスデモンストレーション大会？｣』

思わずリヴァイさんと声が重なる。

荻｢ああ、最近ヴァレンティーノが大人しいと思っていたら、コレに出るために練習しているらしい｣

普通の大会なら、スタンダード・ラテンに別れてそれぞれ5つのダンスを踊るが、今回の大会は流れるテーマ曲に合わせてスタンダードorラテンで踊るらしく、優勝者には・・・

『このトロフィー、ヤギの形ですか？』

ヤギの形のトロフィーが授与される。

荻｢ああ、それを狙っているらしい｣

リ｢で、Aに力を貸せというのは？｣

荻｢大会が１週間後でな、大会側に中止を願い出たが、聞き入れてもらえなかった｣

『それで、経験者の私が出てトロフィーを護る、と』

荻｢ああ、お願いしてもいいか？｣

『了解しました。パートナーは私が選んでも？』

荻｢構わない｣

了承を得て、庵に連絡を取る。
庵にも、圭くんから話がいっていた。

荻｢練習場所は確保している。１週間しかないが、頼んだ｣

『了解しました！』

とりあえず、どんなテーマ曲なのかによるな。


練習場所につき、軽くアップを済ませる。

庵｢なんか久しぶりだな、何年ぶりだ？｣

『10年は経つでしょうね。中学の時だから』

洋｢そんなにブランクあって大丈夫か！？｣

『まぁ、そのための１週間ですし』

10年はデカいが、１週間みっちり練習しても良いという許可がでた。庵もバーを休みにしてくれている。

優｢じゃあ、テーマ曲流しますね〜｣

〜♪

『まさかのポル⚫グラ⚫ィティ！！』

庵｢オー！⚫バルか｣

まさかのアップテンポで現代的な曲に手で顔を覆う。

『このテンポ、スタンダードならタンゴ、ラテンならパド・ソブレね』

情熱的な曲だから、ワルツよりも情熱的なタンゴ、サンバよりも闘牛をイメージしたパド・ソブレの方が合う。

『ヴァレンティーノが静かなのはこの１・２週間ほど、その間に練習出来るとすれば、ベーシックだけ』

庵｢じゃあ、俺達はアレでいくか｣

｢｢｢あれ？？？｣｣｣

＊２→←＊４

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