アルストロメリア〜ヤギを追う元調査兵団〜

＊因幡親子決別事件 ページ28

荻「剣持、ヴァレンティーノのアジトが判明した。今からそこへ向かうぞ」

『了解！』

アジトへの乗り込みか、怪我人とか出そうだな。

prrr prrr

『あ、もしもし・・・』


相馬「しかし、乗り込みとなると怪我人が出そうだな」

『安心してください。知り合いの医者に警視庁で待機してもらえるようにお願いしました』

岩「知り合い？女の人？」

『ええ、頼りになる女医です』

荻「着いたぞ。ここだ・・・」

着いた先は・・・

『木造家屋・・・』

荻「行くぞ」


荻野警部の合図で突入したものの、家の中はもぬけの殻だった。

『誰もいませんね・・・』

荻「逃げられたか。何処かに隠れているかもしれないな」

荻野警部とは反対側を探していると、

荻「いた。剣持、ついてこい！」

『荻野警部！』

振り返ったらもうそこには荻野警部はおらず、廊下の遥か彼方にいた。

『(ちょ、早すぎる！！！)』

何とか追いついたら、遥くんと同じ服を着た男の子が、荻野警部の服の匂いを嗅いでいた。

荻「遅いぞ、剣持」

『急いで来たのに状況が読めない！』

聡(弥太)「どういうことだ、荻野警部

なんでテメェからジョージの匂いがするんだよ！」

『止まりなさいっ！』

荻「何のことだ？」

捕まえたヴァレンティーノの仲間を抑える。

取りあえず関節技を決めるが、興奮は落ち着かない。

聡(弥太)「ふざけんな！30年前、テメーの頭吹っ飛ばした馬鹿警官、城島薫だ！」

荻「・・・祖父の名だ」

相手はショックを受けたように項垂れる。

聡(弥太)「は、はは。なんだよお前、なんで警官なんかやってんだよ」

荻「大丈夫か、歩けるか？」

聡「遺伝するんだなぁ、馬鹿って・・・」

『っ！荻野警部！』

相手から黒の犬のような物が出てきて、荻野警部に取り憑いた。

聡(荻)「ははははー！最強の肉体ゲットー！」

『お、荻野警部？』

あの無表情の荻野警部が爆笑してる・・・。

聡(荻)「可愛い女の子にコレ向けるの嫌なんだけど、ごめんね」

荻野警部の銃を額に向けられる。

『っ！』

パァン

トリガーが引かれる前に、荻野警部の手を蹴り、銃の向きを変える。

聡(荻)「っと、へぇー、すごい。遥が気に入るのも分かるわ。しかも、異能力者ときた」

『っ、何故それを(聡(荻)「知ってるか？俺も狼だからだよ」っな！』

聡(荻)「じゃあな」

パァン

岩「剣ちゃん！！」

相馬「剣持！！」

最後に見えたのは、遠ざかる荻野警部と、走りよる岩崎達だった。

＊２→←＊２

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