【志麻】ウワサの痛バちゃん【歌い手】

本日リリイベなり〜USSS who? @Skt 〜 ページ23

さぁ次は坂田さん。彼は安地だから大丈夫。

私が移動すると「どうも！坂田でっす！」と語尾に星がつきそうなほど、元気よく挨拶して下さる坂田さん。私は同じように「どうも！Aでっす！」と返す。


「あっ！Aさん！！久しぶり〜」

「と言っても1年ですけどね」


そう返せば、頬を膨らまし「僕にとっちゃ久しぶりなん！」と拗ねる坂田さん。あざとい末っ子天使め。


「いつものあがお世話になっております」

「お母さんみたいやな！こちらこそまーしーがお世話に、ってなんで泣いてんの！？」


彼に泣いてると指摘され目元を拭ってみれば、確かにそこは濡れていた。

なんで私、泣いてるんだろう。坂田さんが嫌なわけじゃない、むしろ友達の推しだ。嬉しいに決まってる。じゃあ、なんで。

考えれば考えるほど涙が止まらなくなっていき、顔がぐちゃぐちゃになるほど涙が出ていた。


「ちょ、大丈夫！？とりあえず落ち着こ？な？」


坂田さんは私の行き場のない手を握り、肩をさすってくれた。彼のさすり方は優しくて暖かくて子供の頃に戻ったようだった。のあちゃんが坂田さんを推す気持ちも今なら分かる。彼はとても優しい人であることも。


「す、すみません。もう、大丈夫です。」


だいぶ落ち着いてきたため、私は彼に「大丈夫」と伝えた。彼は肩をさするをやめ、その手で優しく頭を撫で一言「そういうときは、“ありがとう”やで。」と。

そう言った時の顔は実際には見えなかったけど、私が小さい時突然姿を消したもう1人の兄の笑顔が浮かんだ。

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