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タクシーで着いたのは横浜の誰かのマンションの一室だった。
「今日は倉庫じゃないの?」
「正月からあんなクソ寒ぃとこ無理ー」
タクシーで一眠りしていた蘭くんがあくびをしながら部屋に入ってきた。
「おー。お前ら来たか」
ドアを開けたのは望月くんだった。
「お邪魔します」
「ん?斑目の?」
望月くんはまだ勘違いしてるらしい。
「ただの隣の家の人です」
「そー。オレらが今落とそうとしてんだから邪魔すんなよー」
蘭くんの腕が後ろから回された。
「は?Aテメェなんで来てんだよ!」
望月くんの筋肉の後ろから聞きたくない声が聞こえた。
「竜胆くんに呼び出された」
「テメェあれだけ不良からの呼び出しには乗るなって言ったじゃねぇか!」
獅音の呼び出しよりは竜胆くん達の方がまともな気がする。
「まあ良い!今日は幹部しかいねぇからゆっくりしてけ」
「モッチーここ鶴蝶の家だろ」
筋トレ用の機器がたくさんあるこの家は鶴蝶くんの家らしい。
もはや筋トレ機器しかない。
「鶴蝶は?」
「ジャンケンで負けて買い出し行ったぞ」
家主なのに買い出しに行かされた鶴蝶くんに同情した。
バルコニーに立ってるのはイザナさんで寒くないのかと心配になる。
「椅子の方がいいか?」
望月くんは案外世話焼きのようで色々と気を遣ってくれた。
「ありがとう望月くん。ちなみにAっていいます」
何度も何度も斑目の女という名誉毀損で訴えかね無い名前で呼ばれるのは困るので自己紹介した。
「モッチーでいいぞ」
怖い顔に似合わず可愛らしい言動をする。
「なんて言うかまごにも衣装だな」
「……モッチーくんそれ意味わかって使ってる?褒めてないけど」
そう伝えると顔を真っ赤にして狼狽えた。
「っすまん!違っ!!そんなつもりは……」
見た目筋肉だるまなのにその様子が意外に可愛くて内心ニヤニヤしてしまった。
同じ筋肉だるまなベンケイくんはそんな可愛い反応はしてくれない。
「オマエが最近灰谷兄弟のお気に入りの?」
楽しんでた所に冷たい声が水を刺した。
「先日はいきなりすみませんでした。斑目獅音の隣の家に住むってだけのAと言います」
背筋が凍るような視線を感じて一度立ち上がり挨拶をした。
「大将ー、オレらのお気に入り怯えさせないでよ」
「ふーん」
上から下まで嬲るように見られて息が出来なくなった。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時