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「治せ!」
私たちがまだランドセルを背負っていた時、隣に住むバカな幼馴染は怪我をする度に私の所に来た。
「またやられたの?」
「は?やっつけてやったぜ!」
家が隣だからってクラスまで6年間一緒にされた。
こんなヤツの飼い主になったつもりはないのに勝手に世話をさせられている。
アイツも幼馴染だからなのか、私が虐められてたり不良に絡まれてると必ず助けるので番犬にはなってるのかもしれない。
いや、虐められたのも不良に絡まれたのもヤツのせいなので馬鹿犬に手を噛まれたようなものか?
中学になるとさらにアイツは喧嘩に明け暮れていた。
弱い癖にイキがるからすぐに目をつけられた。
それでも懲りずに喧嘩をするのでなぜか私までケンカが強くなった。
剣道をケンカに使ったら部活をクビにされた。
そしたらアイツが道場破りだと乗り込んで、何故か二人で謹慎になった。
アイツと関わると碌な事がないと実感した。
暴走族に入るようになったアイツはさらにケンカに明け暮れていて顔合わす機会も減った。
私は平和なひと時を過ごした。
中学を卒業と同時に族の総長を任せられたと聞いて耳を疑った。
調べたら前総長の代はかなり悪どい事をしていたらしい。
そんな族をあのバカがまとめられるのか心配でさらに調べる事にした。
調べていたらあっさりと夏前には他の族に潰されたらしく、呆気なく終了を迎えた。
相変わらず怪我をしてはうちに転がり込んできた。
おばさんにバレたらさらに傷が増えるからだろう。
調べていて気になったのが黒龍の初代。
関東を統一したのに関わらず直後に解散したらしいとのこと。
そして調べたら初代総長がやっているバイク屋が近くにあるらしい事。
バカなアイツに乗れるのに私に乗れないわけがないとバイク屋を訪問する事になった。
「ん?原付か?」
所々オイルに塗れた手を拭いながら出てきた男は初代総長の異名とはかけ離れた優男だった。
「そのバイクに乗りたい」
一番目立つバイクを指差すと目を丸くした。
「バブに?お前免許は?歳は?」
「15」
「二輪の免許は16からだからな」
アイツは3月で15になったばかりだったので、無免許で運転をしているらしい。
15と答えた自分はここでバイクを乗せてもらう事は叶わない。
「そんなに乗りたいなら後ろ乗ってみるか?」
夏の始まりの蝉の声が遠くで聞こえた。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時