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幼稚園にAを送り出す高杉の表情は険しく、松陽は自分の作戦が失敗したことを悟る。

何か他に手はないかと考えるも、直接聞くのが一番かもしれないという決断を出した。




『Aさん、もう直ぐ誕生日らしいですね』




折り紙をしているAは松陽の方へ顔を上げ、一つ頷く。松陽は折り紙から欲しい物のヒントがもらえるかもと思ったが、折っていたのは羽根の閉じた鶴だ。




『プレゼント、何をもらうんですか?』




そう聞くもあからさまに戸惑い始め、目を忙しなく動かしては引きつった顔で首を横に振るう。




『プレゼントは、いりません』




「どうして?」と落とした声は柔らかくも不安や心配が込められており、少しだけ震えていた。松陽の問いにAは結んだ唇を薄く開いて小さな声を零す。




『わたしは、産まれてきちゃダメな子だから……』




だから「産まれてきてくれてありがとう」というプレゼントをもらう資格はないと言う。


たかが四年しか生きていない子供の発言に、松陽は一瞬息をすることを忘れた。何か言おうと口を開くも、これを言うべきは自分ではないことに気づく。



その答えは、きっと彼が教えてくれる。



そう信じた松陽はAの頭を撫で、これから与えられるであろう愛情が伝わるように今はただ祈り続けた。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 吉田松陽   
作品ジャンル:アニメ
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - 昔の自分と比べてしまいました。あなたの作品がとても好きです。この作品に出会えたこと、心から感謝しています。涙を拭きながら、読み進めようと思います。 (2019年1月27日 16時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは、コメント読んでいただけているかどうか…でも、もしよんでくださるなら。わたしは、ハルさんの作品に心底惚れています。自分の書きたいものをえがくことって素晴らしいと思うんですよね!だから、周りの意見に惑わされず「ハルさんの作品」を待ってます (2018年5月2日 0時) (レス) id: a53110be97 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - 今更...な感じがしますけど、コメント失礼します。私、この作品読みながらずっと泣いちゃってました。素晴らしい作品だと思います。何回読んでも飽きないですね!感動しました。 (2018年4月2日 22時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - みなさんコメントありがとうございます〜( ; ; ) お一人お一人にご返信をしたいのですが、下の方のコメントが消えてしまいそうなので割愛させていただきます( ; ; )無念……。沢山の励ましのコメントを胸にこれからも頑張って行きますので、応援お願いします!! (2018年2月1日 17時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 心に響きました。恋愛要素など無くとも、人を感動させられる小説は素晴らしいと思います。これからも頑張ってください。応援しています! (2018年1月12日 20時) (レス) id: acfcc66616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年10月6日 18時

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