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☆10 ページ10

恐ろしいくらい静かな空間。

真っ暗な広い空に、
星だけがキラキラ。


その星が、
ぐにゃりと歪んでく。




「………なん、で」




なんで、

行っちゃうの。




言葉には出来ずに、
嗚咽と、涙だけが溢れてく。

じっと上をむいて、
必死に空を眺めても、ぐにゃぐにゃの輝きしか、みえない。




「………A、」



重なる手。

絡んだ指。
ぎゅっと強く、強く。



好きだったのは、
一緒にいたいと思ってたのは、私だけなんでしょう?

なんで、こんなことするの。


なのに、振り解こうとしたら、
もっともっと力で絡んでく。




「ずっと考えててん。このままでええんかって。過去のこと、今のこと、将来のこと、」

「………うん」

「俺な、デザイナーになりたい。」



初めて知った、廉の夢。

私は…そんなの、
そんな将来なにになりたいかなんて、これっぽっちも考えてなくて。



「服のデザイナーになりたいねん」

「ああ…服、好きだもんね」

「おん。せやから東京行く。都立行きながら、専門の塾通って、美大行きたい。」

「そっか…」

「絶対、叶えたいんや」



顔は見れないけど、
その声から

強い意志が伺えて。



もう、それ聞いちゃったらさ、
引き留めることなんて、

出来るはずないよ……



「廉すごい……すごいやん…そんな、考えててんな」

「ただ、そんな簡単になれるもんちゃうからな…」

「大丈夫だよ。廉なら、きっと…」



星が煌めく。

シュッと流れてく。


……あ、流れ星。

ひとつ流れたら、次々と。
流れ星は、たくさん流れる。



こんなときに……?

涙で滲んで、
はっきりと見えない。



「あの、さ」

「っ……なに…?」



最後にゆっくり、

別れを告げるように、
流れ星が落ちた。




「迎えに来るから。それまで、待ってて?」




一瞬ぎゅっとされた手は、

離れていった。

☆11→←☆9



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設定タグ:永瀬廉 , 関西ジャニーズJr. , 西畑大吾   
作品ジャンル:恋愛
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◯◯(プロフ) - 最初に読んだのは一足遅い2018くらいなのですが大好きすぎて今から五周目入ります!!!年1ペースで読んでます大好き!! (2022年12月22日 13時) (レス) id: de6e03f4bf (このIDを非表示/違反報告)
momoka0709(プロフ) - このお話、本当に好きです。何回も読んでしまいます (2017年9月18日 0時) (レス) id: 4e5c643142 (このIDを非表示/違反報告)
平野ゆい - 私にもキュンキュンするような恋、したい!! (2017年2月24日 22時) (レス) id: a265317775 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 悪役になりきれない、根っこは性格の良い心愛ちゃんが地味に可愛いです(T-T)噛ませ犬感がもう…… (2015年8月11日 1時) (レス) id: 07aca28da1 (このIDを非表示/違反報告)
もず(プロフ) - ほんとこの小説すきです!読むたんびに☆の一番右連打したくなります笑 こんな恋がしたかったです(;_;)笑 更新楽しみにしてます^^ (2015年6月7日 23時) (レス) id: 1d4cc7955f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆい☆ | 作成日時:2015年3月31日 21時

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