【ケロロ】軍旗を掲げよ３【ケロロ小隊】【完結】

〜我ら若手兵〜3 ページ27

クルルは非科学的な物が嫌いだ。


何にでも理論付けようとするし、実際試みた物は理論付けが可能だった。


しかし、今、クルルが苛付いているのは三次元装甲の謎が解けないからだ、装甲の理論が分からない。


ただでさえ、模倣キルルに関して分かっていない事が多いのに、奴らが自分の知らない物で装甲を作ろうなど以ての外。


「模倣キルルの三次元装甲は簡単に言やぁ、超カタイ実態プロテクトだ。こいつを壊せるのは俺様の想定じゃあ……」


クルルの瞳を隠す分厚い眼鏡が、黄色の両眼を捕捉した。


「砲兵ちゃん、アンタだ」


黄色が薄っすらと蛍光色に光る。


「アンタが切り込み隊長だ。武器は連射可能で実弾以外、装甲にゼロ距離で撃ち込め」


「了解です」


ルココは挙手の敬礼をする。


先程の攻撃からも学んだ通り、今回の模倣キルルは防御型、ゼロ距離射撃は可能だ。


「んで、餓鬼ィ！ お前は砲兵ちゃんの援護だ。砲兵ちゃんが撃ち込んだ後にひたすらエネルギー派を撃て」


「はいですぅ」


了解、とは言わなかった。


餓鬼呼ばわりされた事に対する、タママなりの反抗だろう。


「それからオッサン三人！ アンタらは砲兵ちゃんと餓鬼の防壁になれ。一切、模倣キルルに手を出すなよ」


何を予測したか、最年長のケロロ、ギロロ、ドロロは手をあげるなと言う。


「我輩、まだピッチピチの軍曹でありまーす。オッサンはギロロだけデショ」


「同い年だろ！」


しかし、突っ込み所はオッサンである。


オッサン三人とは言われずもがな分かる彼ら。


「あァ、砲兵ちゃん。今作戦はアンタに掛かってる。それから模倣キルルのデータ分捕るから、これ付けてけ」


クルルがボタンを押すと、クルルの席の後ろからアームが伸びて、ルココに一つのスコープを寄越した。


ルココはそれを受け取り装着する。


視界に変化はない。


「随時、俺様が直々に指示をしてやる」


クルルは最後にそれを言うと、席に穴を開けて、更に地下へと潜って行った。


完全に彼のテリトリーだ、誰も踏み入る事の出来ない領域。


「さあ、行くでありますよ」


日向家から五つの飛行ユニットが大きく羽ばたいた。

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