〜万有引力は夢を見る〜2 ページ15
「ルココ殿! 家事当番!」
パンッと両の掌を合わせてケロロが深々と頭を下げる。
「交代ッ! 願うであります!」
座席との僅かなスペースで華麗に土下座を決めるケロロ。
この男にプライドたる物はないのか。
「こンの、ボンクラがっ!」
ギロロが拳でケロロの頭を殴ると、ポカッと頭がのめった。
あでっ、という悲鳴が聞こえたが、にゅっと顔を上げてケロロは懇願し続ける。
「いやっ、ルココ殿はここんトコ、任務とか行きっぱなしだったっしょ? 今回はゆっくり休むであります!」
無言のルココ。
怒っている訳ではないのだが、怒っていない訳でもない。
「ちょーっとテケトーにやっても、ルココ殿なら夏美殿も強くは言えないであります。お咎めなしであろうと思うでありますから!」
ケロロの主張は続く。
「休暇がてらにスターフルーツでも!」
口八丁でこの男の右に出る者は数少ない、それはドロロの時で既に分かっている。
沈黙のルココを折れさせようと、更にケロロは口を開こうとする。
「了解です」
見ていてはこちらが辛いので、ルココはシートベルトを外して挙手の敬礼をした。
……断じてスターフルーツとやらが気になって釣られた訳ではあるまい、断じて!
ルココはマグマ・スイマーから抜ける。
正直な所、任務続きで疲れていたため、家事当番だけなら有難かったのだ。
最もそんな事は小隊員には言えないのだが。
家事当番が終わったらスターフルーツとやらでも食べようと思う。
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クローン(プロフ) - Say akaさん» 有難うございます。番外編やら続編やらは後々ひっくるめてお話しようと思っておりますので、今暫くお待ち頂けると有難いです。 (2015年5月3日 16時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
Say aka(プロフ) - この小説凄くいいです!!これからも更新頑張ってください(^ー^)ノあと、番外編とか作りませんか? (2015年5月2日 13時) (レス) id: f86aeafa04 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 清河清明さん» 紹介されるような物である事に恐縮です。書き方とかはようやく整って来たので何とも言えませんが、そこが仇になる事もあるので良かったです。コメント有難うございました…! (2015年3月26日 12時) (レス) id: d8750a893b (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - こんにちは。友人の紹介で読んでみたら予想以上に面白く、通信規制の一歩手前までいってました(笑)台本小説でもなくスーパー完璧少女でもない彼女の生き様に久々に胸熱でした (2015年3月24日 18時) (レス) id: 07f2a719b6 (このIDを非表示/違反報告)
クローン(プロフ) - 名無しさん» おわわわ…! こちらこそコメント有難うこざいます。この作品に世界観なる物が作れていたようで光栄です! (2015年3月1日 7時) (レス) id: d9f1c78e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クローン | 作者ホームページ:ホームページはありません。
作成日時:2015年1月11日 8時