[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。4[月山習]

144. ページ9

・



翌日のあんていく。


ニシキと睨み合う。



「んっだ、っよ、お前はこれでも着てろ」


「はぁ?てめーが着ろよ」



互いに衣装を押し付けあう。そしてあたしたちは同じ衣装を引っ張り合っている。


破らない程度に力加減はしてる。もちろん。



「どうでもいいから早く決めろ」


トーカが言う。



「「これがいいんだよ!!」」



見事にハモった。


この野郎……。ニシキのくせに生意気な……。



「こうなったら」


「最終手段だな」



一旦衣装をテーブルに置く。



目を閉じて深呼吸。




「「最初はぐ、じゃんけんぽんっ!!」」





「……イェーイ!!ざまあみろー!」


「…くっそ……」


「だからお前はいつまで経ってもニシキなんだよ」


「どういう意味だ!」



勝ち誇ったように腕組みする。



じゃあこれはあたし〜。




衣装を取って奥へと消える。






「……お前、ガチだな」


「本気でやんねーとな」



ちゃんと髪もセットしましたよ。


着替え終わって決めポーズ。



我ながら完璧だわ……。




全身鏡を見て頷く。


やっぱあたしはこれだよな。ヴァンパイア!




「クソニシキは何着たのかな〜?」



ニヤニヤ笑いながら見に行ってみる。



「ぶっは!!やべえ!!似合う!!」


「似合うな!!」



爆笑したトーカとあたし。


そんなニシキの格好は。



「ミイラ!?顔見えづらいじゃん!ふっはははは!!」



所々巻かれた包帯。


笑いすぎて腹筋痛いんだけど。




不機嫌そうな顔のニシキ。



「何かご不満でも?」


「不満しかねーわ」


「ま、勝ったのはあたしなんだけどね?」


「ムカつく野郎だな本当に……」




ニヤリと笑ってピースサイン。




・

145.→←143.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す