175. ページ40
・
崖の下を見下ろした。
「…先に行く」
「はい」
ヨモさんが駆け降りて行った。
しばらくして、あたしも駆け降りる。
降りる最中に赫眼になる感覚がした。
今日もいるな……。
残り数mで飛び降りる。
着地して、ヨモさんがいる場所を確認。
「A、お前はそっちだ」
「了解です」
3人か……。
手を合わせて、バッグに遺体を詰める。
喰べさせてもらってる身であれだけど、なんで自ら命を落とすんだろうね。
あたしらなんて死にたくても死ねないときもあるのにさ。
こんなとこから飛び降りて死ねるなんて、人間は脆い。
その脆さが、儚い。
あたしに流れる人間の血を思う。
半喰種でよかったと思ってるし、人間の血が流れててよかったと思ってる。
「……すまんな」
ヨモさんを振り返る。
「なんで謝るんですか?」
「…いや、なんでもない。終わったか」
「終わりました」
「じゃあ帰るぞ」
崖を駆け上がって、車に乗り込む。
助手席で窓の外を眺めた。
あんていくに着く。
「ここまでで大丈夫か」
「大丈夫です。ちょっと寄るところあるんで」
ヨモさんと別れ、カネキの元へ向かう。
…あいつにも連絡しとくか。
電話はめんどくさいので、メールだけ送っておこう。
「カネキー。いるー?」
「Aちゃん」
顔を出すと、カネキと目が合った。
にっこり笑う。
「おっす」
「…久しぶりだね」
「ん?昨日会ったじゃん?」
「こうして戦うの」
「あぁ、そっちか。…まぁね。あたし黒髪のカネキしか知らないし」
だから、今のカネキとは初めましてだね。
・
232人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あつき(プロフ) - nanoさん» ありがとうございます…!これからもお付き合いのほどよろしくお願い致します。 (2014年11月23日 23時) (レス) id: e41d28bd72 (このIDを非表示/違反報告)
nano(プロフ) - 飽きてなどいません。続き楽しみにしてます! (2014年11月23日 23時) (レス) id: 3d9ff45680 (このIDを非表示/違反報告)
あつき(プロフ) - リンさん» ひえええ、有難うございます!!日々妄想してるのでネタは尽きません…! (2014年11月23日 21時) (レス) id: 988ea2a69c (このIDを非表示/違反報告)
リン - 面白いです!ネタが尽きないのが凄いです。これからも頑張って下さい(`∞´) (2014年11月23日 19時) (レス) id: 0161c05280 (このIDを非表示/違反報告)
あつき(プロフ) - なぎさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2014年11月17日 17時) (レス) id: e41d28bd72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あつき | 作成日時:2014年10月28日 16時