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「そうだ、まだ私の名前言ってなかったね。私は堀ちえ。月山君の同級生」
「えっ」
思わず声が漏れる。
慌てて口を押さえると、月山が笑った。何故貴様が笑う。
「見えないだろう?小学生に見えてもおかしくない」
「高校生…なんですか」
「そうだよー。Aちゃんは中学生ってとこだね。その制服、そこの中学のでしょ?」
あたしのセーラー服を見て堀さんが言う。
「月山君にこんな可愛い彼女がいるなんてって思わなかったなー。よろしくね」
「彼女じゃないです。ただの知り合いです」
差し出された手を握る。
……待って、この人、人間?
あたしの気配を察したのか、月山が言った。
「安心したまえ。喰種だとばれても言いふらさないよ」
「そうそう。いい写真が撮れたらそれでいいからさ」
「……」
いまいち信用できない。
微妙な表情を見て、堀さんが写真を見せる。
「これ、私が撮ったやつ」
見ると、赫眼状態の月山が人の肉を喰らっているところが激写されていた。
「私が殺されたらこの写真ばらまくつもりだったんだけど、生きてるからね〜」
……つまり、あいつは堀さんを殺そうとしたわけで。
それでも言いふらしてないなら相当な根性だ。
「死にかけているのにカメラを向けてきたよ」
「いい写真が撮れそうだったね」
…うん、信用しよう。
「黒知Aです。月山にストーカーされてます」
もう一度手を出す。
「えー、月山君ストーカーしてんの……」
「ストーカーとは心外だな」
「じゃあ何。あたしに付きまとう変態?」
非難の目で月山を見る。
ぎゅっと強く手が握られた。
「別に敬語じゃなくていいよ!あとさん付けとかナシね」
「え……。じゃあ……ちえちゃん…?」
「何それ可愛い!」
「…何故僕は呼び捨てなんだい」
「てめーは黙ってろ」
月山を睨みつける。
「それにしても本当可愛いね。写真撮らせてよ」
承諾する前にフラッシュが焚かれる。
またもや視界が奪われた。
「その写真、僕にもくれないかい」
「だめ!あげないで!」
絶対こんな奴にあげてたまるか。
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あつき(プロフ) - nanoさん» ありがとうございます…!これからもお付き合いのほどよろしくお願い致します。 (2014年11月23日 23時) (レス) id: e41d28bd72 (このIDを非表示/違反報告)
nano(プロフ) - 飽きてなどいません。続き楽しみにしてます! (2014年11月23日 23時) (レス) id: 3d9ff45680 (このIDを非表示/違反報告)
あつき(プロフ) - リンさん» ひえええ、有難うございます!!日々妄想してるのでネタは尽きません…! (2014年11月23日 21時) (レス) id: 988ea2a69c (このIDを非表示/違反報告)
リン - 面白いです!ネタが尽きないのが凄いです。これからも頑張って下さい(`∞´) (2014年11月23日 19時) (レス) id: 0161c05280 (このIDを非表示/違反報告)
あつき(プロフ) - なぎさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2014年11月17日 17時) (レス) id: e41d28bd72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あつき | 作成日時:2014年10月28日 16時