[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。4[月山習]

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「……ん…」



……寒い。


薄く目を開けると、見事に蹴飛ばされた掛け布団。



もう一度布団を被って、ぼんやり考える。



昨日…確かソファで寝たはずなんだけど…。


……まぁいいか。たぶん戻ったんでしょ。






・







「…やだぁ…まだ寝る……」


「どれだけ寝たら気が済むんだい」


「いつまでも寝れる……」



特に今の時期寒いからさ…。布団から出たくないっていうか…。



体が宙に浮いた。


お姫様抱っことかまじでやめろ。



「さっむ!!」



咄嗟に習の首にしがみつく。



「無理寒いまじで寒い死ぬ凍え死ぬ今すぐ戻して」


「戻したら寝るじゃないか」


「それは仕方ない」


「じゃあ戻さないよ」


「……戻さなくていいから降ろして」


「嫌だ」


「はぁ?」



寒いんですけど。


あたし寒がりだから余計つらいんですけど。



と、ここで習にしがみついたままだということを思い出す。



……あたしとしたことが。



ゆっくりと手を離す。


すると一気に寒くなった。



「なんでこんなさみーんだよ……」



冬だ。これは冬だろ。


11月ってこんな寒かったっけ?



「…というか、ちゃんとベッドで寝ないとだめじゃないか」


「……寝てんじゃん」


「僕が運んだんだよ」


「あれっ、そうなの?」



てっきり自分で移動したのかと。



「この家でかいから部屋まで行く間に眠くなっちゃって」


「この前は床で寝ていたね」


「……」



曖昧に笑ってごまかす。


つーか早く降ろせ。






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