[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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ぱりんっ。



「……まじか」


「A、何やってんだよ。…おい、顔色悪いぞ」


「え?」



手が滑ってカップを割ってしまった。


…給料から引かれる……。



あたしの顔を見たトーカが驚いた。



「なんか喰った?」


「いや、何も…」


「生理?」


「ううん?」


「……じゃあなんだよ」


「あたしが聞きたい」



どうしたんだろ、あたし。



トーカがあたしの顔に手を伸ばす。




「あっつ!お前、熱あるんじゃねーの!?」


「熱?」


「触ってみ」



言われた通り顔を触るとほどよく熱い。



「今日は帰れよ」


「え、今日ニシキもいないじゃん」


「私はいますよ!」


「ロマだから心配なんだって……」



おっと、つい本音が。


トーカに背中を押されて帰る準備をさせられる。



制服から着替えているとき、くらっとした。



……危ない。一瞬倒れそうになった。



店長もいいって言ってくれたから今日は大人しくしとくか…。



「……わ、習」


いたのか。気付かなかった。



「……」


「ちょ、何すんだよ」



ぶわっと体が持ち上がった。


……持ち上がっただけ。別に抱っこされたとか言ってない。



足をじたばたさせる。



「離せよ!ねぇ!」


「顔色悪いよ」


「だから離せって……っ」



目眩がした。


力が抜ける。



「A!?」




習の声を最後に意識がぶっ飛んだ。





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