[東京喰種]喰べたいけど喰べたくない。3[月山習]

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「飲め!何も言わず飲め!」


「だから飲まないって……!!!」



口に流し込まれた液体。



「イトリさん荒っぽいなぁ…」


「いいのいいの。慣れってやつよ」



会話が頭に入ってこない。


飲み込んだ瞬間、体が熱くなる。




「どう?酒の味は!」


「……まずい」


「まぁとりあえずもっと飲め飲め」



顔を掴まれて抵抗できない。


傍でウタさんが笑っているのがわかる。



飲みきれずに口の端から血酒が溢れた。




「……っぷ、イトリさん!」


「なぁに?」



話があるって言われたから来たのに!



なんでこんなに酒飲まされてんだよ!




「頭くらくらする……」


「ありゃ、A、酒はだめか」


「弱いみたいだね」



カウンターに突っ伏す。



気持ち悪いー…。吐きそうー…。





「蓮ちゃんも弱いよねぇ」


「…そうなの?」



顔を横に向けてイトリさんを見る。



「蓮示くんは酔ったらよく喋るよね」


「…ヨモさんが?」


「そうだよ」



よく喋るヨモさん……。



「ぶはっ、想像できない」



笑ってしまう。どう考えても想像できない。


あまり喋らないヨモさんがよく喋る?



ありえない。笑える。




「ふっふっふっふ……」


「…Aさんは笑い上戸だね」


「こんなに笑ってるA初めて見たわ……」



笑い続けるあたしを見て二人が言う。


やばっ、笑い止まんね……。



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